65歳以上の働くシニア「働きながら年金を満額もらう方法」は?年金カットを回避する2つの方法

AI要約

在職老齢年金制度について解説。

在職老齢年金の仕組みや基準点について詳細。

年金受給額がカットされる条件や具体的な例について説明。

65歳以上の働くシニア「働きながら年金を満額もらう方法」は?年金カットを回避する2つの方法

次回の年金支給日は10月15日です。年金が生活の支えになっている人もいれば、働きながら年金を受け取っており、安定した収入を毎月得続けている人もいるでしょう。

しかし、働きながら年金を受給している人は、年金受給額の一部がカットされる可能性があります。働いている人の年金受給額を調整する仕組みである「在職老齢年金」の制度があるためです。

せっかく収入を得ても、年金がカットされてしまっては損した気分になるでしょう。働きながら年金を満額受給する方法はあるのでしょうか。この記事では、在職老齢年金の概要や年金カットを防ぐ方法について解説します。

※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

在職老齢年金とは、働きながら年金を受給する際に、給与や年金額に応じて年金の一部や全部が支給停止となる制度です。対象となるのは、70歳未満の人が会社で働き厚生年金保険に加入している場合や70歳以上の方が厚生年金保険の適用事業所に勤めている場合です。

在職老齢年金は、毎月の年金と労働収入の合計額がいくらになるかによって、適用されるかどうかが決まります。年金カットとなる基準点について、次章で解説します。

在職老齢年金の仕組みは、働いて収入が増えすぎると、厚生年金がカットされるようにできています。在職老齢年金の仕組みは、以下のとおりです。

〈基本月額と総報酬月額相当額との合計が50万円以下〉

老齢厚生年金は全額支給。

〈基本月額と総報酬月額相当額との合計が50万円超〉

老齢厚生年金は一部または全額支給停止。支給額は以下の計算式で決まる。

 ・基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-50万円)÷2

※基本月額:加給年金額を除いた老齢厚生(退職共済)年金(報酬比例部分)の月額

※総報酬月額相当額(その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額の合計)÷12

月額の年金と給与・賞与の合計が50万円を超えるかどうかが、年金の支給が停止される基準点となります。50万円を超えれば、計算式に基づき調整された年金額が支給されます。一方、50万円を下回れば年金は支給停止となりません。

●年金月額「14万円」をもらっている人ならどれだけカットされるのか

では、厚生年金だけで月額14万円受け取っている人の場合、年収がいくらになると年金カットの対象となるのか見ていきましょう。

 ・年収200万円:年金額14万円

 ・年収250万円:年金額14万円

 ・年収300万円:年金額14万円

 ・年収350万円:年金額14万円

 ・年収400万円:年金額14万円

 ・年収450万円:年金額13万5000円

 ・年収500万円:年金額11万5000円

年金14万円の場合、400万円程度であれば年金はカットされません。年収450万円で年金と労働収入の合計額が51万円となり50万円を超えるため、年金の一部が支給停止となります。この場合に支給停止となるのはわずか5000円ですが、年間で6万円もの受給差が発生します。

では、65歳以上の平均年収はいくらなのでしょうか。次章で見ていきましょう。