コバンザメ戦略大当たり、普通の人が米航空会社の3位株主になるまで

AI要約

米航空会社ジェットブルー・エアウェイズの3位株主は普通の個人投資家で、株式8.1%を取得。彼は趣味で上場企業への投資を行い、アイカーン氏のようなアクティビスト投資家を模倣して成功を収めている。

15歳で渡米した彼は、ロシアから米国に移住し電子機器のオンライン販売業を営む。また、ゲームストップ株でも取引を行っていた経験があり、賢明な投資手法で知られている。

アクティビスト投資家としての成功や投資スタイルについて、公表を避ける姿勢を示しているが、彼の持つ株式比率は大手機関投資家に匹敵し注目されている。

(ブルームバーグ): 米航空会社ジェットブルー・エアウェイズの3位株主は機関投資家ではない。アクティビスト(物言う株主)でも、悪名高いミーム株トレーダーでもない。フロリダ州マイアミで電子機器のオンライン販売業を営むウラジミール・ガルキン氏、単にお金を稼ぎたいだけの普通の人だ。

赤字を抱えるジェットブルーの株式8.1%購入は、ウォール街のレーダー外で起きた。

「上場企業への投資は本業ではなく、趣味だ」とガルキン氏(45)。「私はデイトレーダーではない」とインタビューで語った。

同氏の持ち高は1億3200万ドル(約195億円)相当。株主ランキングではブラックロックとバンガードの下に位置し、アクティビスト投資家カール・アイカーン氏のアイカーン・エンタープライゼズと遜色ない。ガルキン氏はアイカーン氏のようなアクティビストが大きく賭ける銘柄に投資するのを好むという。アイカーン氏のジェットブルー持ち株比率は他の投資ビークルの持ち分も合わせて9.9%。

ガルキン氏はアイカーン氏とジェットブルーについて話したことはないが、「これまでにアクティビスト投資家を模倣して大きく稼いだ経験がある。大成功だった」と話した。

2月にジェットブルー取締役会で2席を獲得したアイカーン氏は、ガルキン氏に関するコメントを拒否した。 ジェットブルーも特定の株主については言及しない方針を理由に、ガルキン氏についてコメントを避けた。

15歳で渡米

15歳でモスクワから米国に渡ったガルキン氏は、ロシアの消費者にコンピューターを販売する事業から始め、2017年にはマイアミにHUBXという電子機器オンライン卸売会社を設立。創業パートナーによれば、年間売上高は約4億ドル。

ガルキン氏とその妻は別のアクティビスト、ライアン・コーエン氏の足跡をたどるようにゲームストップ株を取引したことがあるという。コーエン氏はかつてフロリダ州で近くに住んでいたが、2人はトレーディングについて話をしたことがない。ガルキン氏は証券報告書を手がかりに、コーエン氏がゲームストップ株を買い増すたびに、自分も追加で購入していった。今はゲームストップの持ち株はゼロで、投資額や利益の額は公表を避けた。ガルキン氏の純資産で一時、ゲームストップ株が80%を占めたことがあるという。