海外勢、売り買いとも過去最高 5~9日、株価乱高下の要因に

AI要約

東京証券取引所が16日発表した前週の投資部門別株式売買状況によると、海外投資家が過去最高の売買を記録し、日経平均株価は大きな乱高下を経験した。

日経平均はブラックマンデーを上回る過去最大の下げ幅を記録し、一転して最大の上げ幅となった。海外投資家は売り越しではなく買い越しを記録し、逆張りスタイルの個人投資家も売り越しに転じた。

個人投資家の中には急落により担保不足となり、手じまい売りを余儀なくされたケースもあった。

 東京証券取引所が16日発表した前週(8月5~9日)の投資部門別株式売買状況によると、海外投資家の売りが24兆4443億円、買いが24兆9397億円となり、いずれも過去最高を更新した。日経平均株価が暴落後に急騰した乱高下の背景には、海外勢の活発な取引があったとみられる。

 日経平均は5日、1987年の「ブラックマンデー」時を上回る過去最大の下げ幅を記録。翌6日には一転して最大の上げ幅となった。前々週末の2日終値と比較すると、1週間で900円弱下落した。

 通常、日本株の下落局面では海外投資家の売りが主因になるが、この週は差し引きで4953億円の買い越しだった。海外勢は7月後半から売り越しが続いていたが、6日以降姿勢を転じ、「それまでに売った分を買い戻した」(国内証券)との見方が強い。

 一方、個人は553億円の売り越し。「逆張り」の運用スタイルの個人は株安局面では買い手に回ることが多い。しかし、5日までの急落などにより、信用取引で担保不足に陥り、「手じまい売りを余儀なくされた」(大手証券)ケースも多かったとみられる。