〔NY外為〕円、149円台前半(15日)

AI要約

15日のニューヨーク外国為替市場では、円相場が7月の米小売売上高の好結果を受けて1ドル=149円台前半に下落し、約2週間ぶりの安値を記録した。

米国の消費の底堅さが示され、景気減速への懸念が和らいだことや、労働市場の悪化に対する警戒感が弱まり、米長期金利の急上昇により円売り・ドル買いが促進された。

市場関係者は、FRBが9月に利下げする見通しであるものの、利下げ幅が0.50%ではなく0.25%にとどまるとの見方が強まっている。

 【ニューヨーク時事】15日のニューヨーク外国為替市場の円相場は、市場予想を上回る7月の米小売売上高を受けて、円売り・ドル買いが加速し、1ドル=149円台前半に下落した。大幅な米利下げ期待が後退する中、約2週間ぶりの安値を付けた。午後5時現在は149円25~35銭と、前日同時刻比2円01銭の円安・ドル高。

 米商務省がこの日発表した7月の小売売上高は前月比1.0%増と市場予想(ロイター通信調査)の0.3%増を上回った。消費の底堅さが示され、景気減速に対する過度な懸念が和らいだ。

 さらに、同時刻に発表された週間新規失業保険申請件数は前週比7000件減の22万7000件と予想を下回り、労働市場の悪化に対する警戒感も弱まる中、米長期金利が急上昇。日米金利差を意識した円売り・ドル買いが膨らんだ。

 市場ではインフレの鈍化を示す複数の統計を踏まえ、米連邦準備制度理事会(FRB)は9月に利下げに踏み切ると見込まれている。市場関係者からは、7月には高水準の新規失業保険申請件数が報告されたこともあったが、季節要因で増加した可能性を指摘する声も出ている。雇用情勢の軟化に対する警戒が薄れる中、0.50%ではなく0.25%の利下げに留まるとの見方が優勢となっている。

 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0967~0977ドル(前日午後5時は1.1006~1016ドル)、対円では同163円85~95銭(同162円29~39銭)と、1円56銭の円安・ユーロ高。