スーパーカーブーム時代に「カウンタック」と双璧をなしたフェラーリ「512BB」が狙い目! クラシケ取得でも5000万円以下が相場のようです

AI要約

フェラーリ512BBは、365BB時代の進化モデルとして登場し、エンジンやボディの大幅なアップデートが施された。エンジンは4943ccのV型12気筒で、最高速度は302km/hを誇る。

ボディワークも改良され、エアダムスカートやNACAスクープが装備された。テールランプやマフラーのデザインも変更し、よりスポーティーな印象を与えている。

512BBは生産台数が365BBの2倍以上になるなど、成功を収めたモデルであり、後にマイナーチェンジ版の512BBiへと進化していった。

スーパーカーブーム時代に「カウンタック」と双璧をなしたフェラーリ「512BB」が狙い目! クラシケ取得でも5000万円以下が相場のようです

2024年6月12日、RMサザビーズ欧州本社は、その本拠のあるロンドンからほど近いバークシャーの田園地帯にある、17世紀のマナーハウスを改装した壮麗なホテル「クリブデンハウス」を会場として、「Cliveden 2024」オークションを開催しました。今回はそのなかから、クラシックスーパーカーの古典「フェラーリ512BB」をピックアップします。

1973年から生産に移された元祖「ベルリネッタ・ボクサー」こと、「365GT4/BB」とともに、ミッドシップ12気筒ストラダーレ(市販ロードカー)の分野に進出したフェラーリ。しかし、じつは365BB時代には実験的要素も多かったことから、当初から技術面および生産面で複数の問題点を抱えていたという。そこでマラネッロでは、一定数のシリーズ生産を期した進化モデルの開発が進められることになった。

1976年パリ・サロンにて正式発表されたニューモデル「512BB」は、運転席/助手席のすぐ後方に搭載されたボクサー12気筒エンジン。あるいはピニンファリーナのデザインによるダイナミックなボディなどでは365GT4/BBの技術的特徴を受け継ぐいっぽうで、細部は大幅な進化を遂げている。

そのネーミングは、1960年代末からスポーツカーレースを闘ったフェラーリのプロトタイプ・レースカー「512S」および「512M」へのオマージュであるとともに、エンジンのスープアップを示唆していた。

かの故ニキ・ラウダ氏が、1975年と1977年シーズンのF1世界タイトルを獲得したマシン「312T2」との共通性が存分にアピールされた180度V型12気筒エンジンは、排気量を365BB時代の4391ccから4943ccまで拡大。4基のトリプルチョーク式ウェーバー社製キャブレターが、拡大されたエンジンに燃料を供給する。ただしこの5Lエンジンでは、スペックシート上の最高出力は365BB時代の380psから360psに低下(現実化?)していたものの、同じく公表値の最高速度は365BBから不変の302km/hを標榜。依然として世界最速の市販スポーツカーであることを、高らかに宣言していた。

いっぽうボディワークでは、フロントにエアダムスカートが設けられたほか、ボディサイドにはNACAスクープを追加。テール側のオーバーハングも延長された。また、テールエンドに置かれる丸形テールランプは365BBの左右3灯ずつから2灯ずつに変更。スタンダードのマフラーも左右3本出しから4本出しに換えられ、若干ながらエキセントリックな印象が薄められた。

こうして365BBのあとを継いだ512BBは、1981年にマイナーチェンジ版「512BBi」にスイッチされるまで、365BB時代の2倍以上に相当する929台がマラネッロ工場からラインオフしたとのことである。