デフォルトした米大学、09年以来最多に迫る勢い-財政状況悪化

AI要約

米国の高等教育機関には財政的なプレッシャーが高まっており、多くの大学が債務返済に苦労している状況が続いている。

地方の大学は学生獲得競争やコスト上昇に苦戦し、強豪校との格差が広がっている一方、新型コロナウイルスの影響も受けている。

高等教育機関の信用が低下し、問題を抱えた大学の債務総額は急速に増加している。

デフォルトした米大学、09年以来最多に迫る勢い-財政状況悪化

(ブルームバーグ): 米高等教育界の厳しい経済状況が大学の財政を圧迫し、債務返済に苦慮する大学を増やしている。

ミュニシパル・マーケット・アナリティクス(MMA)のデータによると、今年に入り新たにテクニカルデフォルト(債務不履行)や返済不履行を公表した大学は15校。少なくとも2009年以降で最多となった昨年の17校まであとわずかに迫った。

巨額の寄付金とブランド力を持つ強豪校が繁栄する一方で、地方の大学はコスト上昇と激化する学生獲得競争に苦戦しており、高等教育セクターの持てる者と持たざる者の間に広がる格差を浮き彫りにしている。新型コロナウイルス禍のストレスから立ち直りつつある弱小校は、学生支援プロセスの遅れといった他の圧力にも直面している。

MMAのパートナー、マット・ファビアン氏は先週のリポートで、「このセクターは23年初め以降、急速に信用が低下している」と指摘した。

ブルームバーグの集計データによると、米大学の地方債発行残高は約2460億ドル(約36兆1600億円)。減損を計上する学校が増えているのは、データベースに登録された大規模校が増えたほか、債務問題を解決するペースが遅いことが要因だとMMAは分析。同社によると、問題を抱えた高等教育機関の債務総額は22年末から3倍に増加しているという。

原題:US Colleges’ Debt Strains Mount in One of Worst Years Since 2009(抜粋)

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