「アンガーマネジメント」よりも大切なこと、「怒りの感情」は“発想の転換”で根本から抑えるべき

AI要約

人が「機嫌がいい」状態でいることの重要性と、そのメリットについて述べられている。

「怒り」をコントロールするよりも、「ごきげんマネジメント」が重要であるとの主張がされている。

人間のネガティブな感情に囚われず、「機嫌がいい」状態を自らマネジメントする必要性が述べられている。

「アンガーマネジメント」よりも大切なこと、「怒りの感情」は“発想の転換”で根本から抑えるべき

「脳の機能がよくなる」「成長や変革につながる」「パフォーマンスが上がる」等々、人は「機嫌がいい」状態になることでさまざまなメリットを得られる一方、「不機嫌な状態」がもたらすデメリットは計り知れないほど大きいと、スポーツドクターの辻秀一氏はいいます。

それではいったい、人が「機嫌がいい」状態を自発的に維持していくにはどうすればいいのでしょうか?  39万部のベストセラー『スラムダンク勝利学』の著者でもある辻氏が、その秘訣を解説します。

※本稿は辻氏の著書『「機嫌がいい」というのは最強のビジネススキル』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

■「怒り」をコントロールするよりも大切なこと

 多くの人が「怒り」のコントロールができずに人生を失敗したり、大事なものを失ったりしている。この「怒り」を意味する「アンガー」の感情マネジメントには世界中で関心があり、「アンガーマネジメント」なる言葉や対策や組織が生まれてしっかりと機能している。

 あるテレビ番組で「アンガーマネジメント」の特集があり、脳科学の先生が「怒り」のメカニズムを説明したり、アンガーマネジメント協会の方が「怒り」のコントロールの仕方を詳しく解説されていた。

 その番組に、以前より懇意にさせていただいている松岡修造さんに声をかけていただき、アンガーをマネジメントするのではなく、最大の予防は「ごきげんマネジメント」ではないかとお話をさせていただく機会を得た。

 アンガーをマネジメントしているうちは、「怒り」というネガティブな感情の中にいる。「機嫌がいい」という「ごきげん」にフォーカスし、「ごきげん」をマネジメントすることが重要なのではないかということをたくさんの方に届けられたのではないかと思っている。

■「機嫌がいい」を自らマネジメントする

 わたしたち人間は怒りなどのネガティブな感情を生み出し、「不機嫌の海」の中で泳いでいることがしばしばある。それはネガティブな感情を契機に何かの行動を誘発する動物としての原始的なメカニズムを、人間という高等な領域で実施しようとするからだ。

 相手の考えが自身の考えと違うと、自己正当化するために怒りの感情で攻撃する。生命の危機につながるような事態が起これば、命を守るために怒りの感情で自分たちを守る。ときには、それで戦争すらしているのだ。