基本整備で数10万km耐える「2JZ」 トヨタ・スープラ(A80) UK版中古車ガイド(2) ストリートのアイコン!

AI要約

トヨタ・スープラの4代目に搭載された2JZ型エンジンは堅牢であり、適切なメンテナンスを怠らない限り、数10万kmは耐える。試乗時には排気状態を確認し、ターボの状態も注意が必要。

エンジンのブースト圧に異常がある場合、ターボやアクチュエーターの故障が疑われる。改造された車両も多いため、純正状態と改造箇所を確認する必要がある。

ブレーキやサスペンション、エンジン設定など、日本仕様と英国仕様では違いがあり、違うパーツを交換する際には注意が必要。スープラの生産数や輸出台数にも注目が集まっている。

基本整備で数10万km耐える「2JZ」 トヨタ・スープラ(A80) UK版中古車ガイド(2) ストリートのアイコン!

4代目トヨタ・スープラに載る直列6気筒エンジン、2JZ型ユニットは基本的に堅牢。適切なメンテナンスを怠らず、過度なチューニングをしていなければ、数10万kmは耐える。包括的に点検整備を受けてきているか、記録を確かめたいところ。

試乗時は、走行中やアクセルオフ時に排気ガスが過度に濁らないか目視する。黒煙が出る場合は、ターボチャージャーの不調が疑われる。

1基目のターボが機能していないと、4000rpm以下でブースト圧が上昇しない。2基目のターボの場合は、4000rpmで1度ブースト圧が落ちる。その後、再び徐々に圧力は高まるはず。

ブースト圧の不全が、必ずしもターボ自体の故障とは限らない。アクチュエーターの不調という可能性も疑われる。

英国仕様には、排気ガス再循環装置が装備されている。基本的には、エンジンを好調に保つうえで好ましい装備とはいえず、過去のオーナーによって取り外されている場合が殆どのようだ。

ノーマル状態のスープラは非常に数が少なく、改造された部分はその内容を確かめたい。純正状態に近い日本仕様のツインターボに過度なハイフローマフラーを組むと、ブースト圧が25psi以上へ上昇し、エンジンブローを誘発する場合がある。

排気触媒が外された例も存在するが、英国でも車検には通らない。事故でシャシーに被害が及んでいる場合もある。どこが純正状態でどこが改造後なのか、徹底的に調べたい。

1995年式以前の日本仕様では、フロントが2ポッド、リアが1ポッドのブレーキキャリパーが組まれている。後期の大径ブレーキへ交換可能だが、アルミホイールも17インチへサイズアップする必要がある。

英国仕様のブレーキは、初めからフロントが4ポッドで、リアが2ポッドキャリパー。性能は高く、高速域からのフルブレーキングを何度も繰り返せる余裕がある。

また日本仕様には小型のセラミックターボが組まれ、低域トルク重視。公道の速度域では扱いやすい。インジェクターやカム、ECUの設定も英国仕様と異なる。180km/hでリミッターが作動するが、簡単にカット可能なようだ。

ローダウンされた例も多い。もちろん、硬いサスペンションは乗り心地が犠牲になるのと同時に、ボディシェルにも負荷がかかる。

4代目スープラの生産数は、初年度から1994年までは多かったが、その後は鈍化。海外仕様の生産は1998年に終了する一方、日本国内向けには2002年まで続いた。総生産数の7割は日本市場向けで、55%を自然吸気エンジンが占めている。

英国へ正規輸入されたA80型は、673台。レッドやダークブルー、シルバー、ホワイト、ブラックと塗装は多彩で、レザーシートはブラックだけでなくベージュも選べた。日本仕様の場合、さらに選択肢は広かった。タルガトップのオプションもあったほど。