平常運転に戻るか? 新たに社内審査官を任命! 是正命令を受けたトヨタが提出した再発防止策の中身とは?

AI要約

トヨタが国土交通省から是正命令を受けた認証不正に関する報告書を提出。

経営層による開発・認証業務の理解促進や新たに社内審査官を任命するなど再発防止策を実施。

内部監査の充実や業務管理手法の改善、リスクを織り込んだ実施体制の構築など、不正を防ぐ取り組みを行う。

平常運転に戻るか? 新たに社内審査官を任命! 是正命令を受けたトヨタが提出した再発防止策の中身とは?

 7月31日、認証不正があったとして国土交通省から是正命令を受けたトヨタが、再発防止に関する報告書を同省に提出した。トヨタでは経営による認証への関与が不十分だったとし、経営層による開発・認証業務の理解促進を図るとともに、新たに社内審査官を任命し、認証試験に立ち会わせるという。

 文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部

 トヨタでは、認証作業での異常に気づき、すぐに行動できる仕組み・体制の見直しを速やかに進めるとして以下のような具体策を盛り込んだ。

 まず、今回不正が起きた背景には認証業務全体を見渡せる責任者がいなかったということが挙げられる。今回CTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)の中嶋裕樹副社長が開発の総合判断責任者、G-CQO(グローバル・チーフ・クオリティ・オフィサー)でカスタマーファースト推進本部本部長の宮本眞志氏が認証の総合判断責任者とそれぞれの責任を明確化した。

 認証業務の内部監査を充実させるため法規主監を任命し、その法規主監が認証体制の有効性を評価し、G-CQOとCRO(チーフ・リスク・オフィサー)長田准執行役員に報告する体制を作る。さらにCROが内部監査室によるプロセス監査の実施を検討する。

 不正を防ぐための開発や認証全体の業務管理手法も改善する。ここではCTOの統括責任下で車両カンパニープレジデントが責任者となり、次の工程への移行可否を判断するとし、判断を透明化するとともに、柔軟に計画が変更できるようにした。

 さらに開発データを認証試験に用いる際は、認証主管部署が試験指示書(指示かんばん)を発行し、法規主管が試験に立ち合い、指示通り実施されていることを確認するという。

 いっぽうで不正が起こりうるというリスクを織り込んだ業務の実施体制も構築する。G-CQOが任命する法規主管を「社内審査官」として配置、認証試験に立ち会わせ、実施状況や正確性を確認する。

 併せて社内審査官は認証試験の能力や設備が法規要件を満たしているか、時間的制約などが試験の適切を妨げていないかを確認する役割も担うとのことだ。