実質賃金27カ月ぶりプラス 6月、ボーナス効果で転換

AI要約

厚生労働省が6日公表した6月の毎月勤労統計調査によると、1人当たりの実質賃金が27カ月ぶりにプラスに転じた。

賃上げや夏のボーナスにより名目賃金が増加し、物価上昇を上回ったが、今後のプラス持続は不透明。

統計では現金給与総額が増加し、実質賃金は前年同月比で1.1%増加した。

 厚生労働省が6日公表した6月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動を考慮した1人当たりの実質賃金は前年同月から1.1%増え、27カ月ぶりにプラスに転じた。2022年4月以降、過去最長のマイナスが続いていたが、春闘による賃上げや夏のボーナスで名目賃金が増加し、高騰する物価を上回った。ただプラスが継続するかどうかは不透明だ。

 厚労省の担当者は、賃上げにより基本給を中心とする所定内給与が堅調に伸びていることに加え「ボーナスを6月に支払った事業所が前年より増えた」と分析。一方、昨年まで7月にボーナスを支払っていた事業所が前倒しで支給した可能性があるとして、推移を注視する考えを示した。

 名目賃金に当たる現金給与総額は4.5%増の49万8884円で、30カ月連続のプラス。統計の算出に用いる消費者物価指数は3.3%上昇した。差し引きで実質賃金はプラスとなった。

 現金給与総額の内訳は、所定内給与が2.3%増の26万4859円、残業代などの所定外給与が1.3%増の1万9483円だった。