コモディティーが急落、世界的な市場メルトダウンが原材料市場に波及

AI要約

コモディティー市場では銅や金、原油が急落し、米経済悪化への懸念が広がっている。

売りが増加し、商品市場全体に経済成長への不安が広がっており、ヘッジファンドも弱気姿勢を取っている。

原油や銅市場の景気後退への懸念が高まりつつあるが、混乱が続けば金市場の地位は回復する可能性がある。

コモディティーが急落、世界的な市場メルトダウンが原材料市場に波及

(ブルームバーグ): 世界的な株安・債券高となる中、銅や金、原油などのコモディティー(商品)が急落。利益を上げている取引を現金化し、工業用原材料市場で新規の売り持ちを立てる動きが加速している。

ロンドン金属取引所(LME)では銅が3.8%下落し、貴金属では約7%安の銀が下げを主導している。原油先物は一時2%余り下落したが、その後は下げ幅を縮小している。

米経済の悪化を示唆する統計を受け、売りが殺到。待ち望まれていた米金融緩和への転換が、米国内外の景気悪化を防ぐには遅過ぎるのではないかとの懸念が広がっている。

ブルー・ライン・フューチャーズのチーフ市場ストラテジスト、フィル・ストライブル氏は「パニックが広がっている。長期的に見れば、これらはすばらしい投資対象だが、リセッション(景気後退)に陥らず、経済がハードランディングせず、さらには米金融当局が適切に行動することが前提だ」と指摘した。

銅のように産業サイクルと連動している商品にとって、ハードランディングのシナリオは、今年の世界的な需要急増を予想した強気派には新たな圧力となるだろう。手じまい売りで価格は5月のピークからすでに20%余り下落し、5日の新たな売りで約4カ月ぶりの安値を付けた。商品市場全体で経済成長への懸念が広がり、ヘッジファンドは主要商品先物のバスケットに対し2016年以来となる弱気に転じた。

クオンティックス・コモディティーズの投資家ソリューションズ責任者マシュー・シュワブ氏は「原油や銅のような市場は景気後退を織り込んでいるように見え、株式や債券市場も同様だ」と語った。

今年16%上昇し、通常なら景気低迷時に恩恵を受けるはずの金も今回は大きな打撃を受けた。他の取引での損失をカバーするために換金売りが出たためだ。これは大規模な下落局面ではよく見られるケースであり、混乱が続けば逃避先としての地位はすぐに回復するはずだと、アナリストはみている。