万博開催中『IR工事中断』博覧会協会幹部が要望 「なんとか着地点を」吉村知事 「なぜ今?」IR事業者

AI要約

大阪・関西万博の会場北側に整備される「IR=カジノを含む統合型リゾート」について、博覧会協会の幹部が中断を求める声明が出され、吉村知事も議論を進めていることが明らかになった。

万博会場となる夢洲で進められるIRの工事について、景観や騒音問題などが懸念されており、IR事業者との協議が行われている。

大阪府市とIR事業者の関係は複雑で、解除権などの契約条件も存在しており、慎重な対応が求められている状況だ。

万博開催中『IR工事中断』博覧会協会幹部が要望 「なんとか着地点を」吉村知事 「なぜ今?」IR事業者

大阪・関西万博の会場北側に整備される「IR=カジノを含む統合型リゾート」について、博覧会協会の幹部が大阪府市に会期中の工事中断を求めていることが分かりました。

【大阪府 吉村洋文知事】「万博を成功させるのは当たり前のこと。IRも重要な事業なので、なんとか着地点を見出せないかと議論している最中です」

吉村知事がこう話したのは、大阪府と大阪市が“重要事業”と位置付ける万博とIRをめぐる工事について。

万博会場となる夢洲では、2030年に開業を目指すIRの液状化対策工事が進められていて、万博が開幕する来年の春以降には、建物本体の工事が始まる予定です。

大阪府市は両方の工事が成立するよう、交通アクセスや騒音問題などについて調整を続けていました。

しかし、関係者への取材で、BIE=博覧会国際事務局のケルケンツェス事務局長や、博覧会協会の十倉会長などが、IR工事による景観の悪化や騒音について懸念を示していることが判明。

7月下旬、十倉会長が大阪府の吉村知事に万博期間中のIR工事を中断するよう求めるも、折り合いがつかなかったということです。

【大阪府 吉村洋文知事】「IR事業者から聞いている中身からすると、開業時期に大きく影響するだけでなく、色んな工事を一回ばらすとなると事業費にも影響が出てくる。それでも強い意見もあるので、何とか最大限の措置が取れないかということを事業者に投げかけて、最初の回答を待っている状況」

この状況についてIR事業者は…

【IR事業者の関係者】「万博とIRの工事が重なるのは元から分かっていた話で、『なぜ今?』というのが本音です。驚いているし、心配になります」

また、大阪府市とIR事業者が締結した「実施協定」には、2026年9月までに土地の整備などが整わなければ事業者が違約金なしで撤退できる「解除権」が盛り込まれています。

大阪府市は、慎重な対応が求められていて、今週中にもIR事業者と今後の対応を協議する予定です。