親が亡くなったため「住む予定のない戸建ての家」があります。「別荘」のような使い方をしたいと思っていますが、維持費はどのくらいかかるのでしょうか?

AI要約

空き家を所有している場合、固定資産税や光熱費、保険料などの維持費がかかります。

固定資産税や都市計画税は固定資産税評価額によって決定され、特例が適用される場合もある。

放置すると特定空き家指定の恐れもあるため、定期的な管理や手入れが必要である。

親が亡くなったため「住む予定のない戸建ての家」があります。「別荘」のような使い方をしたいと思っていますが、維持費はどのくらいかかるのでしょうか?

親が亡くなったなどの理由で、住む予定のない空き家を所有している方が珍しくありません。なかなか手放す決心ができず、「別荘のようにたまに滞在する場所として使い続けたい」と考えている方もいるでしょう。

しかし、空き家をそのままにしておけば所有しているかぎり固定資産税も発生します。

本記事では、空き家を1年間維持する費用がどのくらい掛かるかを解説します。

空き家の維持に掛かる費用は、一戸建てが建っている場所、広さなどによって異なります。一般的に地価の高い場所に建っている家ほど維持費が高い傾向です。

本項では、一戸建ての空き家の維持に掛かる費用の内容を紹介します。家の維持に掛かる費用を具体的に知ることができれば、所有しておくか売却するかの判断もつきやすいでしょう。

■固定資産税・都市計画税

空き家を所有していると掛かる費用の筆頭が、固定資産税と都市計画税です。なお、都市計画税は市街化区域内に土地と家屋を所有している方にのみ掛かる税金で、家が建っている場所によっては掛からないケースもあります。

固定資産税の額を決めるのは、固定資産税評価額です。固定資産税評価額が上がれば税金も高額になります。なお、人の居住用に供する住宅の用地には「住宅用地の特例」が適用され、200平方メートルまでは固定資産税が6分の1、200平方メートルを超える部分は固定資産税が3分の1に減額されます。

なお、家屋を「別荘」にしてしまうと、住宅用地の特例が適応されなくなるので注意しましょう。ただし、別荘でも一定日数居住していることが証明されれば、適用できる場合もあります。

■光熱費

滞在時間が短くても、家に住めるよう維持し続けるために、電気・ガス・水道は閉栓できません。基本料金だけであっても毎月一定の費用が掛かり続ければ、経済的負担が重く感じるようになるでしょう。

防犯のためにセンサー式のライトを設置しておいたり、水道管の凍結防止のために不凍栓をつけたりすると、その分光熱費が値上がるケースもあります。

■保険料

建物を維持していくためには、火災保険や地震保険も必要と考えられます。保険料は年間数千円程度ですが、他の経費と併せると重い負担になるケースもあります。

しかし、普段人の住んでいない家は設備の劣化に気づきにくいため、漏電火災が発生する可能性が少なくありません。また、建造物放火の被害にも遭いやすいでしょう。火災が発生すると、所有する不動産だけでなく、近隣の住宅に被害が出る可能性もあります。その場合、火災保険に入っていないと経済的に大きな負担がかかってしまいます。

■その他諸費用

分譲マンションであれば、修繕積立費や管理費が毎月必要です。庭がある一戸建てならば、庭の手入れ費用も掛かる場合があります。遠方に住んでいるなどで、家の手入れや管理を委託する場合はその費用も必要です。

なお、空き家の手入れを怠ったまま放置して一定の年月が過ぎると「特定空き家」に指定され、住宅用地特例の対象から外れる恐れもあります。