土地があることは聞いていたが、いざ相続するときにその場所がわからない…こんなときどうしたら良い?【税理士が指南】

AI要約

相続における不動産の所在地を把握する方法について解説。

相続した不動産を売却する際に問題が起こりやすいポイントについて指摘。

取得費を証明する書類の重要性について説明。

土地があることは聞いていたが、いざ相続するときにその場所がわからない…こんなときどうしたら良い?【税理士が指南】

もしも相続が起こったら、この場合はどうしたらいいのだろう?

実際のところ、相続のときに初めて気づく問題や疑問はいろいろあります。家族の状況や遺産の状態によって、思わぬトラブルになることも。最近の相続で、よく起こりがちな疑問や心配事に対し、『知って安心!不動産の相続 2024年版』を監修したランドマーク税理士法人の松岡清隆税理士が対処法を指南する。

Q. 所在地がわからない不動産を相続するためには?

A. 被相続人宛の固定資産税の課税明細書を確認しましょう

被相続人が複数の不動産を所有していた場合、生前に「○○市に土地を持っている」という話は聞いていても所在地までは教えてもらわず、相続時に困ったというケースはままあります。

ランドマーク税理士法人の税理士・松岡清隆さんは「不動産の所在地を把握するために、まず確認したいのは被相続人宛ての固定資産税の課税明細書です」と助言します。

固定資産税の課税明細書は、毎年4~6月頃に自治体から送付されます。その人が所有する不動産(土地・家屋)の所在地(地番)が記載されているので、被相続人がどこにどんな不動産を所有していたかがわかります。

「ただし、固定資産税が非課税の不動産もあるため、それも含めて把握するには、市区町村の固定資産税課などで名寄帳を取得しましょう」(松岡税理士)。

名寄帳には被相続人がその市区町村内に所有していた不動産が記載されています。被相続人が複数の市区町村に不動産を所有していた場合には、市区町村別に取得することが必要です。

もう一つ、困り事が起こりやすいのが相続した不動産を売却するとき。被相続人がその不動産を取得した当時の金額(取得費)を示す書類が何もない場合、取得費は売却金額の5%とみなされ、課税対象となる譲渡所得が大きくなりがち。そのため取得当時の書類を探すことはとても重要です。

ベストなのは被相続人が不動産を取得した当時の「売買契約書」で、取得費そのものが記載されています。

「見つからない場合には、代替手段としてその不動産の登記簿謄本を確認します。購入時に一定期間で売買契約を解消する『買い戻し特約』を付加していた場合、取得費に当たる売買金額が記載されています。それがない場合は住宅ローンの抵当権の金額を確認しましょう。取得費と必ずしもイコールではありませんが、ある程度の証明になります」(松岡税理士)

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