お値段は998万円から 新型「ポルシェ・マカン」は高いのか安いのか?

AI要約

新型ポルシェ・マカンの予約注文が開始され、価格や性能について比較が行われている。

内燃機関モデルと電気自動車モデルの価格差や性能の違いが注目されており、各モデルの特長が明らかにされている。

ポルシェとアウディの比較から、ブランド料や技術料の違いが考察され、新型電気マカンの性能と価格のバランスが論じられている。

お値段は998万円から 新型「ポルシェ・マカン」は高いのか安いのか?

完全な電気自動車(BEV)として登場した新型「ポルシェ・マカン」の予約注文が開始となった。単に「マカン」とだけ呼ばれるエントリーモデルは998万円。果たしてこれが高いのか安いのか。もうちょっとマカンない? と、お願いしたとして、ではいくらマケてもらったら安いと感じるのか?

ご存じのように、これまでのマカンも内燃機関モデルとして継続販売されており、こちらは862万円からである。果たしてこれは高いのか安いのか?

それらを考えるきっかけとするために、内燃機関のマカンとプラットフォームを共有する「アウディQ5」と比べてみよう。新しい電気マカンの「PPE(プレミアムプラットフォームエレクトリック)」は新型車「アウディQ6」と共用している由だけれど、それについて語るにはQ6の上陸を待たねばならないこともある。

現行アウディQ5はディーゼルのみゆえ、ここでは「SQ5」を比較の対象とする。SQ5は2994ccのガソリンV6ターボで、このV6は最高出力354PS、最大トルク500N・mを発生。最高速度は大書していないので無視して、0-100km/h加速は5.4秒というホットハッチ並みの加速性能を持つ。

このスペックに近い内燃機関のマカンは「マカンS」で、こちらはボアは同じでもストロークがちょっと短く、排気量は2894ccと100cc小さい。なのに、ショートストロークでよく回って、最高出力380PS、最大トルク520N・mを発生する。トランスミッションは、マカンSは7段PDK、SQ5は8段ティプトロニック(トルコンAT)で、マカンSはスポーツクロノパッケージ装着車ならずとも0-100km/hが4.8秒と、SQ5を置いてけぼりにする加速性能を持っている。これで価格は1104万円。ポルシェはオプションが豊富だから、ここからどんどん足していくことができるけれど、話が込み入ってくるので、ここでは車両価格のみで比較するとして、一方のアウディSQ5は963万円である。マカンSとの価格差は141万円。同じプラットフォームで、同じような排気量のV6ターボ搭載モデルでも、ポルシェとアウディではこれだけ違う。これが高いのか安いのか? という判断は保留するとして、アウディと比較してのポルシェの技術料とのれん代、ブランド料を数字で表したもの、と仮定してみよう。あくまで仮定です。

さてそこで、エレクトリックの新型マカンのエントリーグレード(998万円)は、リアにだけ電気モーターを備える後輪駆動で、4WDではない。つまり内燃機関のマカンのような高速スタビリティーも、あるいは雪道での性能も期待できない。という弱点がある。

ところが、このモーターは存外強力で、最高出力360PSと最大トルク563N・mを発生する。むむむむ。2リッター直4ターボのマカンの265PS、400N・mを軽く上回る。0-100km/hは電気マカンが5.7秒、内燃機関マカンは6.4秒、スポーツクロノパッケージ装着時でも6.2秒で、ここに電気マカン(998万円)が内燃機関マカン(862万円)より価格が上位にある理由が見いだせる。