誰もいない優先席に座ってはいけないなんて…ジョージア大使が驚いた「ルールに厳しすぎる」日本人の意見

AI要約

日本は細かい決まりが多い国で、暗黙のルールや社会人像に従うべきという空気が強い。このような文化は日本人にとってもプレッシャーになる場合がある。

日本のチームワークや組織力は見事であり、多くの人が責任感やプロフェッショナリズムを持って働く。ただし、社会での行動に関して厳しい風潮もあるため、一部の人にとってはストレスやプレッシャーとなることもある。

暗黙のルールに関する例として、優先席が空いていても座ってはいけないという認識について触れられており、日本の社会における厳格な規範意識が反映されている。

日本の規範意識は海外からはどう見られているのか。「日本語の上手すぎる大使」としてSNSで人気の駐日ジョージア大使、ティムラズ・レジャバさんは「日本は世界的に見ても細かい決まりが多い国。暗黙のルールがたくさんあり、それに従うべきだという空気が強いと感じる。これは、日本人にとってもプレッシャーになっているのではないか」という――。

■日本企業などで見られる見事なチームワーク、裏を返せば?

 日本文化や日本人にはすばらしい点がたくさんあります。前回の記事では、日本は「普通の人」のレベルがとても高いとお伝えしました。多くの人が社会人であることを強く意識していて、責任感やプロフェッショナル精神を持ち、ルールもきちんと守ろうとします。

 私は日本の会社に3年ほど勤めましたが、そうしたレベルの人たちが見事なチームワークでもって高い組織力を発揮していました。これは日本の大きな強みだと思います。

 しかし、裏を返せばそれだけ厳しい社会でもあるということです。皆が共通認識として持っている社会人像にはまらない人、暗黙のルールをきっちり守らない人に対しては、厳しい視線を向ける風潮がある。私のような外国人にとっては、こうした風潮は時にストレスやプレッシャーを感じるものでした。

 例えば、以前こんなことがありました。私が誰もいない電車の優先席に座って読書している姿をX(旧Twitter)に投稿したところ、予想をはるかに超える反響があったのです。「優先席は誰もいなくても空けておくべき」といった注意や批判、それに対する反論などが巻き起こり、ものすごい勢いで議論が広がっていきました。

■電車の優先席は、他に人がいなくても座ってはいけない?

 私は日本での生活が長いですから、電車の優先席は必要とする人がいれば譲るべき場所だということは当然知っていました。ですから、そこに誰も座っていないことと注意書きの文面を確認した上で、これはマナーを破る行為ではないと判断して投稿したのです。

 議論が続く中、ほとんどの人は私を擁護してくれましたが、1割ほどの人は「空いていても座ってはいけない」と私を非難し続けました。優先席の周囲にそうした注意書きはなかったので、私はそんな暗黙のルールはおかしいと思いました。おそらく、それがルールだという思い込みが非難につながっているんだろうと。

 日本は、世界的に見ても細かい決まりが多い国です。暗黙のルールがたくさんあり、それに従うべきだという空気も、社会での行動に対する監視も強いと感じます。これは、日本の方々にとってもプレッシャーになっているのではないでしょうか。