「円高相場」に日本株は耐えられるか…直近の実績で洗い出した「円高に”強い企業”と”弱い企業”」の60銘柄リストを一挙公開する!

AI要約

円高が急激に進行しており、日本株市場に影響を及ぼしている。

円高の要因には様々な要素が絡み合っており、外需企業の業績予想や株価にも影響を与える可能性がある。

円高環境下では小型株が大型株よりも良好なパフォーマンスを示す傾向がある。

「円高相場」に日本株は耐えられるか…直近の実績で洗い出した「円高に”強い企業”と”弱い企業”」の60銘柄リストを一挙公開する!

円高が急激にすすんでいる。

少し前まで160円を超える歴史的な円安ドル高水準に達し、それに伴って外需のウエイトが大きい日本株市場も大きく上昇を見せていたが、その需給が完全に逆流している格好だ。

前編『円高は誰が誘導したのか、円高で日本企業はどうなるのか…突然現れた「円高の正体」を徹底検証する!』で解説してきた通り、今回の円高は然にも様々な要因が重なったことが大きい。

欧米の景気後退と断続的な利下げ観測、日銀の引き締めへの観測、投機筋の円売りポジションの解消、トランプのドル安誘導政策と円安批判などが考えうる円高の要因だ。

現状から円高が進行すればするほど、証券会社のアナリストによる外需企業の業績予想は切り下がっていくことになり、それに伴って株価も下落を見せることになる。この状況を踏まえて、これからも円高が進行していく前提に立った場合に、どういった属性の銘柄に投資していけばいいのかを考えてみたい。

まず大枠として、円高環境下における銘柄のサイズ感として、大型株がいいのか、小型株がいいのかといった点を見てみよう。投資の経験が豊富な方には想像がつくと思うが、一応定量的に投資効果の違いを見てみたい。

具体的には、過去20年間の月次のドル円について、円高方向へ動いた月と円安方向へ動いた月とを分類し、それぞれの期間でTOPIX100(大型株)、TOPIX Mid400(中型株)、TOPIX Small(小型株)のそれぞれの平均騰落率(年率換算値)を算出したものが以下の図である。

図:東証サイズ別指数 円高・円安進行月の平均騰落率:

円高が進行する月は小型株のパフォーマンスが良好で、逆に大型株はマイナスの結果となる。これは、単純に小型株は内需株が中心となって構成されている一方、大型株は世界的にビジネスを展開するグローバル企業が多く含まれているためだ。

内需株は、円高の進行によって輸入物価が抑制されるため、特に製造業は利益率の改善が見込めるというメリットがある。現状のTOPIX Small構成銘柄の時価総額の中央値は370億円程度であるため、その前後のサイズを目安に銘柄を探せばいいだろう。