数ある軽自動車の中でも異彩を放つ孤高の存在「ホンダN-ONE」【最新軽自動車 車種別解説 HONDA N-ONE】

AI要約

ホンダ N-ONEは時代を超えて愛されるデザインを持ち、10年以上にわたり独自の存在感を示している。

2代目では中身を新しくしつつも、エクステリアデザインは継承し、異例の手法を取り入れて話題となった。

バリエーションも豊富で、シンプルなモデルからスポーティなモデルまで幅広く展開されている。

数ある軽自動車の中でも異彩を放つ孤高の存在「ホンダN-ONE」【最新軽自動車 車種別解説 HONDA N-ONE】

時のトレンドやインパクトには流されず独自の方向性を示してきた「ホンダ N-ONE」。20年にモデルチェンジが図られたものの、機構的には大きな進化を遂げつつ、エクステリアのデザインはそのまま、という確固たる信念が披露された。とはいえ6速MTやシックかつスポーティなモデルなどバリエーションを広げ、こだわりのポイントを明確にしている。

REPORT:岡本幸一郎(本文)/山本晋也(写真解説) PHOTO:中野幸次 MODEL:星野芽生

多くの車種がひしめく軽自動車界の中でも、N-ONEほど異色の存在はない。販売台数はこの2年で年間2万台弱にとどまるが、印象的なデザインゆえ頻繁に見掛ける気がする。世に出て10年あまりが経過したホンダのNシリーズになくてはならない、独特の存在感をもつ一台だ。

丸/四角/台形」を基本のカタチとした、時代を超えて愛されるタイムレスなエクステリアデザインの由来となったのは「N360」。ホンダが1960年代終盤に四輪車に本格進出する皮切りとなった往年の名車である。また、人間のためのスペースは最大に、機械のためのスペースは最小限にして、クルマのスペース効率を高めようとするホンダのクルマづくりの基本的な考え方である独自の「M・M思想(=マン・マキシマム/メカ・ミニマム思想)」に基づく、ミニマルで心地良い室内空間も受け継いでいる。

現行の2代目は登場の際、プラットフォームやパワートレインなど中身を新しくしながらも、外身はボディパネルをキャリーオーバーするという、前代未聞の手法がとられたのも話題となった。2024年2月時点でのバリエーションはシンプルな「オリジナル」、上質な装いの「プレミアム」系、スポーティで精悍な「RS」、「オリジナル」をベースに、都会的で洗練されたシックなデザインを纏う特別仕様車「STYLE+ URBAN」となっている。

エンジンは、「オリジナル」と「プレミアム」には扱いやすくて低燃費なi-VTEC自然吸気エンジンが、「プレミアムツアラー」と「RS」にはパワフルなターボエンジンが搭載される。「RS」では6速MTが選べるのも特徴だ。節度感のある小気味良いシフトフィールのMTを駆使して、力強い加速フィールを意のままに楽しむことができるのがうれしい。CVTのシフト制御やサスペンションも専用にチューニングされており、ほどよく引き締まった足まわりで気負うことなくスポーティなドライビングテイストを味わうことができるのも「RS」ならではである。