[スズキ]は軽だけじゃねぇ!! 今や軽"も"強いメーカーな件

AI要約

スズキは、軽自動車メーカーから脱却し、日本市場を見据えた戦略を展開している。

若年層から中年にかけては、スズキを「軽自動車」メーカーではなく、「登録車でも」強いメーカーと捉えている。

ソリオとスイフトの成功により、スズキはブランドイメージを引き上げ、世界戦略車での成功を収めながらも日本市場に注力している。

[スズキ]は軽だけじゃねぇ!! 今や軽

 スズキは、もはや軽自動車だけのメーカーではなくなっている。その原動力を探っていくと、ひたむきに日本市場を見つめ続けるスズキがあった。最も日本ユーザーファーストなメーカーは、スズキだったのだ。

 文:佐々木 亘/画像:スズキ、ベストカーweb編集部

 スズキをダイハツと並ぶ、日本の2大軽自動車メーカーとイメージするユーザーは多いと思う。ただこのイメージを持つのは、年齢が高い人に多いようだ。最近の若年層から中年に差し掛かる世代は、スズキに対して「小型車」というイメージを抱いていると、スズキの販売現場で働く営業マンが話してくれた。

 本稿執筆時点で、スズキの軽自動車は派生車種も含めて14ある。対して登録車はOEMのランディを含めて7車種だ。しかし、軽自動車比で車種が半分しかない登録車の売れ行きは良く、特に若年層は、スズキディーラーに登録車を見に来ることが多いという。

 こうしたブランドイメージの引き上げを担っているのが、大人気のソリオとスイフトであろう。この2台によって、スズキは「軽自動車で強い」メーカーではなく、「軽自動車でも」強いメーカーになった。

 一体、ソリオとスイフトは、スズキに何をもたらしたのだろうか。

 1990年代後半から、ワゴンRワイドや初代スイフトのような、軽自動車+αの登録車を作ってきたスズキ。ただ、軽自動車からの脱却は難しく、単に価格の安い登録車で終わってしまっていた。

 2000年代に入り、スズキは世界へ目を向け始める。そのスタートとして登場したのが2代目(ZC・ZD型)スイフトだ。スズキの世界戦略車として開発されたスイフトは、初代同様に低価格なのだが、デザイン・走行性能が格段に良くなっている。

 誰もが軽自動車メーカーと思っていたスズキが、登録車専用の新設計プラットフォームを開発し、ここまで登録車を成長させたことに、国内外から驚きと称賛の声が上がった。

 ただ、世界戦略車で大成功を収めたスズキは、主戦場を世界に変えることはせず、日本市場を見つめ続けた。この姿勢が、あの大ヒット車「ソリオ」を生み出す原動力となっていく。