【量産2輪メーカー、世界初!!】 カワサキの水素バイクが鈴鹿8耐でデモラン

AI要約

カワサキが鈴鹿8耐の会場で水素エンジン試験車のデモ走行を披露。量産2輪メーカーとして世界初の挑戦。

ニンジャH2 SXをベースとした研究車両で、水素燃料エンジンの可能性を追求。2030年初頭にユーザーに届ける開発を進める。

エンジンはH2 SXのスーパーチャージドユニットをベースにし、水素インジェクターを採用。水素タンクはトヨタ製のものを活用する。外観は未来的で独創的。

【量産2輪メーカー、世界初!!】 カワサキの水素バイクが鈴鹿8耐でデモラン

7月20日、カワサキは鈴鹿8耐の会場にて、ニンジャH2 SXをベースとする水素エンジン試験車のデモ走行を披露した。量産2輪メーカーが水素エンジンを搭載したバイクを製作し、その走行シーンを公開するのは世界的に見ても初めてのことだ。

今回、鈴鹿で走行シーンを公開したのはニンジャH2 SXがベースの研究車両(車名は未定)。カーボンニュートラルに電動だけでなく、さまざまな選択肢を用意して対応していこうとする“マルチパスウェイ”の一環として、水素燃料エンジンの可能性を追求しているものだ。

現状ではまだ開発が始まったばかりだが「電動やハイブリッドもやっているカワサキだが、エンジンも独自の魅力である鼓動感や胸のすく加速感といった、ファンな部分を残しつつカーボンニュートラルに対応させていきたい。2030年初頭にはユーザーに届けられるよう開発を進めていく」とのこと。

注目のエンジンはH2 SXの998cc直4スーパーチャージドユニットがベースで、インジェクターを水素に対応したものに変更し、これを燃焼室への噴射式として使用する。エンジン自体は同じくカワサキ製の4輪バギーに搭載して開発を進めてきたもので、過去には小池百合子東京都知事を乗せてデモランも行っている。このエンジンを改めて2輪に搭載し直したのが今回のトピックだ。

H2 SXをベースとしつつ、かなりフューチャー方面に振られた独特の外観も特徴。このデザイン自体は2023年12月の投資家向け説明会で公開済みだが、今回の新情報として、車体後部に搭載される25L✕2個の水素タンクはトヨタの燃料電池車「ミライ」と同じものを活用していると明かされた。

このあたりは国内2輪メーカー4社を筆頭にトヨタも参与的に加わる「HySE(小型水素モビリティ・エンジン研究組合)」での繋がりを活かしたものと言える。今回の車両を製作したのはカワサキだが、水素タンクにHySEのロゴが刻まれているのは、そうした共同研究の成果もPRしているわけだ。

◆【カワサキ・水素エンジンモーターサイクル】

◆25Lの水素タンクをリヤ左右に振り分けて配するため、後ろ回りのボリューム感はかなりのもの。逆に従来の燃料タンク部には燃料は収められていない。

◆エンジンは前出のようにH2 SX用のSCユニットがベース。とはいえボア・ストロークや圧縮比、SCの過給圧などはSTDから不変とされる。リヤのナンバープレート上のリッドを開けると水素の補給口が現れる。

◆もうひとつ今回の車両で目を引くのは、H型のヘッドライトに代表される超未来的な外観デザイン。アフターバーナー的な処理?の巨大な水素タンクとも相まって「何かスゲエの来た!」感に満ちている。反面、コクピットは研究車両らしい追加メーター程度でSTDの面影が強い。