有名人をかたる「SNS型投資詐欺」の巧妙な手口とは? ニセ桐谷さんのLINEグループでの投資講座に参加し、300万円だまし取られた男性がその一部始終を語る!

AI要約

70代後半の男性が「ニセ桐谷さん」詐欺に300万円を奪われる悲痛な体験を告白。

ニセ桐谷さんに騙された経緯や手口を詳細に説明。

有名人をかたる投資詐欺が急増し、警戒心を持つ重要性や対処法について解説。

有名人をかたる「SNS型投資詐欺」の巧妙な手口とは? ニセ桐谷さんのLINEグループでの投資講座に参加し、300万円だまし取られた男性がその一部始終を語る!

 ニセ桐谷さんに騙されて、300万円奪われた! ――怪しいと感じ、警戒していた人をも信じ込ませた「SNS型投資詐欺」の巧妙な手口とは? 

●「ニセ桐谷さん」詐欺で、300万円奪われた男性が悲痛告白……

一度目の入金時に正規の証券会社を使うなど、巧妙な手口に注意! 

 怪しいと薄々は感じつつも、300万円を振り込み、奪われてしまった──。ダイヤモンド・ザイ編集部に「桐谷さんのニセモノにだまされた」という悲痛な連絡が届いたのは、6月下旬のことだった。70代後半のAさんは投資歴40年。なぜだまされてしまったのか。

 「アシスタントを名乗る女性は非常に親切で、ほかの会員たちの『利益が上がった』という投稿を見ているうちに、『少しやってみよう』と思ってしまったのです」(Aさん)

 事件の経緯を説明しよう。今年3月、AさんはLINEで桐谷さんのアカウントを検索。そこで“なりすまし”と気づかずに連絡を取った。ニセの桐谷さんにアシスタントを紹介され、LINEグループでの投資講座が始まる。

 「連日、日経平均株価や為替などの解説があり、十数名の会員が参加していました。最初は日本株の話が中心でしたが、『世界に目を向けるべき』と、米国株を勧められました」(Aさん)

 ここでAさんはアシスタントの勧めに従い、実在する某証券会社に口座を開設する。Aさんは一度300万円を入金したが、米国株は向かないと考え、出金を申請。この証券会社は詐欺グループとは何のかかわりもないので、当然すぐに全額が返ってきたが……。

 「今度は香港株への投資が推奨され、会員たちから『大きな利益を上げた』という報告が多数投稿されるようになりました。私もアシスタントから、香港株の取引のために『MMHK証券』に口座を作るよう指示されました」(Aさん)

 一つ目の証券会社とよく似たロゴだったが、これは無断で盗用されたもの。まったく架空の企業だ。ただ、ホームページも作り込まれており、信用したAさんは300万円を入金してしまう。

 「出金を申請すると、2日後に『ハッカーに乗っ取られた』と連絡がありました。返金のためにはさらに100万円が必要と言われ、詐欺だと確信しました」(Aさん)

 経過を振り返れば、不審な点はいくつもある。ただ、最初の連絡から振り込みまでは3カ月。多数の会員がいるように装い、一度目の入金には正規の証券会社を使うなど、警戒心を解く手口は巧妙だった。

 このような有名人をかたる投資詐欺事件は急増中。桐谷さんだけでなく、森永卓郎さん、堀江貴文さん、前澤友作さん、池上彰さんらの写真を無断使用した詐欺広告が多数配信されている。

 そういった広告は安易にクリックせず、本人のSNSや公式サイトを確認しよう。桐谷さんもX(旧Twitter)で注意喚起を行っている。

 投資資金の振り込み先に個人名義の口座を指定された場合、間違いなく詐欺。ひとたび振り込むと被害の回復は非常に難しい。少しでも不審に感じたら、もよりの消費生活センターや警察などに相談しよう(※電話での相談窓口には、消費者ホットライン「188」や、警察相談専用電話「#9110」がある。いずれも電話番号は局番なし、全国共通)。