宝くじで「100万円」当せん! 収入が増えたら、翌年の「住民税」は多く引かれるの?“宝くじと税金”について解説

AI要約

宝くじでの当せん金には所得税がかからないため、全額受け取ることができます。しかし、贈与税や相続税の対象になる可能性があるので注意が必要です。

贈与税は110万円を超える贈与が対象であり、受け取った側が納付義務があります。

相続税は宝くじ当せん金が相続財産となった場合に発生し、基礎控除額を超える場合に支払われます。

宝くじで「100万円」当せん! 収入が増えたら、翌年の「住民税」は多く引かれるの?“宝くじと税金”について解説

「いつか宝くじが当たったら……」そんな想像を夢みたことがある人は多いでしょう。しかし、そんな夢の100万円も、「税金がかかるので支払ってください」と言われたら、夢から覚めてしまうのではないでしょうか。

基本的に毎年納める住民税は、前年度の所得をもとに計算されます。宝くじで当せんしたお金はこの「所得」に該当するのでしょうか。本記事ではそんな気になる宝くじと税金について解説していきます。

課税の対象となる一時所得には、次のようなものがあります。

・懸賞や福引きの賞金品

・競馬や競輪の払戻金

・生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金等

・法人から贈与された金品

・遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等

・資産の移転等の費用に充てるため受けた交付金のうち、その交付の目的とされた支出に充てられなかったもの

一時所得とは、継続的な営利目的による所得でなく、あくまでも臨時的な所得がその対象となります。また一時所得には50万円の特別控除が設定されていますが、ほかの一時所得との合計が50万円を超える場合は確定申告が必要となります。

一時所得の項目のひとつである「懸賞や福引きの賞金品」に宝くじの当せん金はあてはまるのでしょうか。実は、当せん金付証票法の第13条にて、「当せん金付証票の当せん金品については、所得税を課さない」と定められています。

つまり、宝くじの当せん金は一時所得にはならないので、翌年の住民税に影響はないということになります。また一時所得でないので確定申告も不要です。つまり宝くじには所得税がかからないので、当せん金を全額当せん者が受け取れるということになります。

宝くじの当せん金は、宝くじを購入した本人が受け取る場合は税金がかかりません。しかしその後の取り扱いによっては税金が発生することがあります。

■贈与税がかかるケース

宝くじの当せん金を家族や友人に分配すると贈与税がかかることがあります。贈与税の対象となるのは1年間で110万円を超える贈与です。もし高額の当せん金が手に入り、家族に110万円を超える額を渡した場合は贈与税の対象となります。また贈与税を納める義務があるのは受け取った側ですので、受け取った全員にそれぞれ贈与税の納付義務が課せられるのです。

■相続税がかかるケース

宝くじが当たった本人がその当せん金を使いきれずに亡くなった場合、その残った当せん金は相続財産となります。そのため相続人が相続税の計算に基づき計算された割合で相続税を納めることになるのです。

残された当せん金が基礎控除額内であれば相続税の支払いが不要なこともありますが、当せん金が高額であればあるほど相続税が発生する可能性が高くなります。

宝くじの当せん金は一時所得の対象外なので、当せん金を全額受け取ることができます。もちろん翌年の住民税にも影響はありません。ただし、当せん金を第三者に贈与したり、のちに相続財産になったりした場合は、贈与税や相続税の対象になる可能性があることを覚えておきましょう。

出典

国税庁 No.1490 一時所得

e-Gov法令検索 当せん金付証票法

国税庁 No.1490 一時所得 Q&A

国税庁 No.4102 相続税がかかる場合

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合

執筆者:渡辺あい

ファイナンシャルプランナー2級