母の国民年金受給額が月5万円です。さすがに少ないので援助したほうが良いと思っていますが、どうするのが良いでしょうか?

AI要約

親のリタイアや一人暮らしで生活が厳しい時、子どもからの援助が必要となることがあります。

子どもから親への仕送りの実態や贈与税の関連性、仕送り以外の援助方法について解説します。

仕送りの現状や目的によって平均額に差があり、贈与税の対象となる場合もあるので注意が必要です。

母の国民年金受給額が月5万円です。さすがに少ないので援助したほうが良いと思っていますが、どうするのが良いでしょうか?

親がリタイアしたり、一人になったことで年金収入が減ったりすると、子どもからの援助がなければ生活が苦しくなることがあります。援助するのはやぶさかではないけれど「税金面のルールが分からない」「仕送り以外のよい手段があるかもしれない」と悩んでいる人もいるでしょう。

そこで本記事では、子どもから親への仕送りの実態をチェックするとともに、仕送りと贈与税の関係や、仕送り以外の援助方法を分かりやすくまとめました。

まずは、子ども世帯から親への仕送りの実態を見てみましょう。

厚生労働省「令和4年 国民生活基礎調査」の結果によると、親への仕送りをしている世帯は全体の約2%、一世帯当たりの仕送り額は平均5万6000円です。仕送り額は2~4万円が最も多く、4~6万円が続く結果となっています。

仕送りの種類別に見ると、施設や医療機関の入所・入院費のみを仕送りしている世帯は、親への仕送りをしている世帯全体の約26%、その他の費用のみの世帯が約73%、両方を仕送りしている世帯は約1%という内訳です。

仕送りの種類別の平均額を、図表1にまとめました。

【図表1】

厚生労働省「令和4年 国民生活基礎調査」より筆者作成

仕送りの目的によって、平均額に大きな差があります。親へ金銭的な援助をする場合は、親世帯の現在の家計や貯蓄の状況も踏まえて、何にいくらくらいの援助が必要なのかを話し合うとよいでしょう。

親への支援としてまとまったお金を渡すとなると、「贈与税がかかるのではないか」と心配になる人もいるでしょう。

大前提として、親への生活費の仕送りに対しては、贈与税が課税されません。「扶養義務者から生活費や教育費のために受け取った財産のうち、通常必要な範囲のものには贈与税がかからない」ことが定められており、親子は互いに扶養義務者に当たるためです。

ただし、贈与税がかからないのは一般的に「通常必要な範囲のもの」と認められる金品だけである点に注意しましょう。一人暮らしの親の生活費としては金額が大きすぎるとみなされる場合は、贈与税が課税されます。

また、仕送りを生活費に充てず、貯蓄や投資に回した場合も贈与税の対象です。親に仕送りをする場合は「日常生活費」「医療費」「介護費用」など使途を明確にし、それぞれに必要な金額の範囲で仕送り額を決めると安心です。