JERA五井火力発電所、1号機を8月1日に稼働開始、猛暑の電力需要に対応

AI要約

東京電力と中部電力が折半出資する発電会社JERA(ジェラ)は8月1日に五井火力発電所の建て替えた1号機を稼働させる。最新鋭の発電設備で、排出削減にも貢献する。

電力供給力が不安視される中、五井火力の1号機の稼働は東京エリアの予備率を改善し、安定供給に貢献する見通し。

LNGを燃料とする最新鋭の発電方式を採用し、効率は世界最高水準の約64%。2号機と3号機の稼働も計画されている。

JERA五井火力発電所、1号機を8月1日に稼働開始、猛暑の電力需要に対応

東京電力と中部電力が折半出資する発電会社JERA(ジェラ)は26日、五井火力発電所(千葉県市原市)で建て替えた1号機を8月1日に稼働させると明らかにした。猛暑で電力需要が高まる中、当初予定より約1カ月早める。新たな設備は液化天然ガス(LNG)を燃料とする高効率の最新鋭発電設備で、二酸化炭素(CO²)の排出削減にも貢献するという。

JERAはこの日、五井火力の1号機を報道陣に公開した。五井火力の建て替えや運転などを担う五井ユナイテッドジェネレーションの佐藤正高社長は「8月も電力需給は逼迫しそう。1号機の稼働で安定供給に貢献する」と話した。

首都圏では今月8日に東京電力が2年ぶりに電力融通を受けるなど供給力に不安がある。電力需要に対する供給力を示す各電力の8月の予備率は東京が8・0%と最も低い。原発が稼働している関西は12・2%、九州は14・8%だ。

■発電効率、最高水準の64%

五井火力の1号機は出力が一般家庭約194万世帯分の電力に相当する約78万キロワットに上り、東京エリアで予備率を約1%改善するという。供給力を高める役割に対する期待は大きい。燃料を摂氏1650度もの高温で燃やす最新鋭の発電方式を採用し、発電効率は世界最高水準となる約64%を実現。ジェラの関係者は「効率的な発電で安価な電力供給が可能になる」と話す。

五井火力は昭和38年に稼働を始め、LNGを燃やす6基を運用していた。しかし老朽化が進んだことから建て替えを決め、平成30年に工事に着手した。ENEOS(エネオス)と九州電力も出資し整備が進む。

建て替え後は3基体制とし、2号機は11月、3号機は来年3月に稼働を始める。出力は計約234万キロワットと、建て替え前の計約189万キロワットから大幅増。CO²排出量は建て替え前の約16%に当たる年間約110万トンを減らせるという。

ジェラは令和2年度から老朽火力の建て替えを進め、常陸那珂火力(茨城県東海村)や横須賀火力(神奈川県横須賀市)などで更新が完了している。(中村智隆)