損保ジャパン、島根県の保険代理店でも顧客情報漏えい 組織的行為の可能性

AI要約

損害保険ジャパンの出向者が損保他社の顧客情報を漏えいしていた問題が発覚し、島根県の保険代理店「松栄」でも同様の漏えいがあったことが明らかになった。

漏えいされた情報は今春以降のもので、漏えいは個人の契約内容に関するものであった。

一連の情報漏えいを受けて金融庁も動き、損保ジャパンを含め複数の損害保険会社に報告徴求命令を出している。

損保ジャパン、島根県の保険代理店でも顧客情報漏えい 組織的行為の可能性

 保険代理店への損害保険ジャパンの出向者が、他の損保の顧客情報を出身母体に漏えい(報告)していた問題で、島根県の保険代理店「松栄」(布野裕二社長、島根県松江市)でも同様の漏えいがあったと24日に同社が発表した。損保ジャパン側からのシェア確認の要請に出向者が応じた。この理由での漏えいが判明したのは2件目で、損保ジャパンが組織的に行ってきた可能性も出てきた。

 また、漏えいされた情報の内容から、漏えいは今春以降とみられる。一連の不祥事をうけて損保ジャパンでは2月に石川耕治社長が就任、4月からシェアによる人事評価をやめたことを強調していたが、その後もシェアにこだわった社内の態勢が続いていることも浮き彫りになった。

 松栄は、山陰合同銀行と親密な保険代理店。同社によると、漏えいしたのは住宅ローン利用者向け火災保険契約(個人)の内容で、2023年4月から24年3月までの新規の契約で403人分。

 出向者が損保ジャパンにデータを送った際に、誤って保険契約者名を添付したという。住所、生年月日、電話番号などの個人情報は漏えいしていなかったため「名前のみを誤って添付した」という出向者などの言い分は信ぴょう性があるとしている。

 相次いでいる損保ジャパンの情報漏えいの報道をみて、松栄から損保ジャパンに22日に問い合わせたところ、この案件が判明した。

 横浜銀行と親密な保険代理店(横浜市)でも19日に1518件の情報漏えいが発表されたが、こちらも損保ジャパン側からシェア確認の要請が出向者にあった。都内の代理店でも12日に約2700件の情報漏えいがあったと発表があった。

 5月以降の一連の情報漏えいをうけて金融庁は22日、損保ジャパンに保険業法などに基づく報告徴求命令を出した。損保ジャパンは23日、9つの代理店で情報漏えいがあったことを公表した。「松栄」の件が、9件に入っているかどうかについて、損保ジャパンは「調査に入っているため答えられない」としている。

 金融庁の報告徴求命令は、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険も受けている。東京海上日動で、出向者による情報漏えいが1代理店で確認されているが、三井住友、あいおいは「現時点ではない」という。