金融庁、情報漏洩問題で損保大手4社に報告命令 詳細な報告や再発防止の徹底求める

AI要約

金融庁が損害保険大手4社に報告徴求命令を出し、個人情報漏洩問題が浮上。

損害保険代理店を通じた情報漏洩が判明し、再発防止策と詳細な報告を求められている。

業界内の不祥事が相次ぎ、信頼回復を図るための取り組みが求められている。

金融庁、情報漏洩問題で損保大手4社に報告命令 詳細な報告や再発防止の徹底求める

損害保険代理店を通じた契約者の個人情報漏洩問題で、金融庁が損害保険大手4社に保険業法と個人情報保護法に基づく報告徴求命令を出したことが23日、分かった。命令は22日付で8月末までの報告を求める。損害保険ジャパンと東京海上日動火災保険では、代理店への出向者が他社の契約者情報を出向元に不正に漏洩する事例も新たに判明。金融庁は各社に詳細な報告や再発防止の徹底を求める必要があると判断した。

4社は東京海上日動と損保ジャパンのほか、三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険。

4社は5月、自動車保険加入者の氏名や契約内容などが代理店を通じ、競合他社にメールで漏洩していたと発表。5月時点で情報漏洩の疑いがある代理店は4社で延べ800社超にのぼる。被害にあった加入者数は調査中だが、少なくとも数千人の可能性がある。

一方、損保ジャパンでは代理店への出向者が他社の保険契約者の個人情報などを出向元に漏洩する事案が22日までに9件であったと発表した。東京海上でも同様の情報漏洩が1件確認されている。両社では、持ちだしが禁じられている個人情報などを不正に出向元と共有して、営業活動などに使っていた可能性がある。三井住友海上とあいおいニッセイ同和では代理店への出向者による他の保険会社の契約者の個人情報漏洩は確認されていない。

4社を巡っては昨年以降、中古車販売大手ビッグモーター(BM)による保険金の不正請求や企業向け共同保険をめぐるカルテルなど不祥事が続いている。今年2月に4社が金融庁に業務改善計画を提出。信頼回復に向けた再発防止の取り組みを進める中でも新たな不祥事が相次いでおり、業界の体質や自浄作用が厳しく問われることとなりそうだ。(永田岳彦)