イギリスに数多あるバックヤードビルダーのなかでも一歩抜きんでた「ノーブル」! 最近話を聞かないと思ったら元気に活動していた

AI要約

ノーブルは1999年に設立されたイギリスのスポーツカーメーカーで、高性能なエンジンをリヤミッドに搭載した後輪駆動車を得意としている。

主なモデルにはM10やM12 GTO バイターボ、そして2004年に登場した究極モデルM400があり、各モデルは高い性能と人気を誇っていた。

M400は431馬力を誇り、0-97km/h加速は2.97秒で、最高速は325km/hに達した。しかし生産台数はわずか75台にとどまった。

イギリスに数多あるバックヤードビルダーのなかでも一歩抜きんでた「ノーブル」! 最近話を聞かないと思ったら元気に活動していた

 イギリスには、バックヤードビルダーと呼ばれる小規模なメーカーを含めれば、この日本では正確には把握できないほどに多くのスポーツカーメーカーが存在する。ここで紹介するノーブル・オートモーティブ社は一時、日本への正規輸入が行われていたこともあり、その知名度はバックヤードビルダーほどに小さくはないが、これまでの歴史や最新作の話題は、残念ながらほとんど伝わってこないというのが正直なところ。

 そこで今回は、このノーブル・オートモーティブ、通称ノーブルの歴史と作品を、簡単に振り返っていくことにしようと思う。

 ノーブルは1999年にカーデザイナーでありエンジニアのリー・ノーブルによって、イングランドのウエスト・ヨークシャー州リーズに設立されたスポーツカーメーカーだ。

 彼が市場に送り出したかったのは、高性能なエンジンをリヤミッドに搭載する後輪駆動車。すなわちスポーツカーとしてはもっとも魅力的ともいえるパワートレインレイアウトをもつモデルで、実際に1999年にはコンバーチブルの2.5リッター自然吸気仕様の「M10」が、また翌2000年にはその進化型ともいえるフォードのV型6気筒ターボエンジンをツインターボ仕様にコンバートした「M12 GTO バイターボ」が、2.5リッターと3リッターの両仕様で(3リッターモデルのGTO-3にはさらに軽量版の「R」も設定されていた)登場。

 もっとも人気の高かった3リッターのM12 GTO バイターボRは、165台のセールスを記録したとされる。

 このM12シリーズの究極作といえるのが、2004年に発表された「M400」だ。このネーミングが意味するところは、車重1トンあたりの馬力が400馬力以上にも達していることで、実際の数字は431馬力。0-97km/h加速は、当時のテストデータによれば2.97秒。最高速は325km/hに達したというのがノーブルからの発表だった。

 M400はミッドに搭載されるエンジンを始め、さまざまなパートでM12のそれとは異なるディテールをもっていた。

 鍛造ピストンの採用や大型のターボチャージャーの装備。シャシーまわりではフロントの強化型アンチロールバーや専用のダンパー、より硬めのコイルスプリング、ピレリ製Pゼロタイヤなどが代表的なメニューで、ドライビングポジションがややセンターよりに改められたことは、キャビンの中央を貫くセンタートンネルが、M12よりやや細くデザインされていることからも明らかである。

 このM400は、ノーブルの一時代を築いたモデルとしても広く知られている。とはいえその生産台数はわずかに75台を数えたのみだが。