〔東京外為〕ドル、155円台前半=一時1カ月半ぶり安値(24日正午)

AI要約

24日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場は、1ドル=155円台前半に下落し、約1カ月半ぶりの安値を付けた。

日銀の追加利上げ観測や自民党の茂木敏充幹事長の発言が影響し、ドルは155円10銭付近まで下落した。

市場ではテクニカル要因や実需の買い一巡により、ドルは一時156円近くまで戻す場面もあったが、再び155円台に落ち着いた。

 24日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日銀の追加利上げ観測などを背景に、1ドル=155円台前半に下落した。一時155円10銭付近まで値を下げ、約1カ月半ぶりの安値を付けた。正午現在は155円25~26銭と前日(午後5時、156円02~03銭)比77銭のドル安・円高。

 前日は欧州勢の参入後、156円台後半から155円台半ばへ大きく値を下げた。特段の材料はなかったが、自民党の茂木敏充幹事長が22日、日銀の金融政策に関し「段階的な利上げの検討も含め、正常化する方向で着実に進める方針をもっと明確に打ち出すことが必要だ」と述べたことで、月末の日銀金融政策決定会合について、「特に海外勢が改めて追加利上げの可能性を意識した」(邦銀)という。

 一方、24日の東京市場では当初はドルの押し目買いが入ったほか、仲値に向けては国内輸入企業のドル買い・円売りが優勢となり、156円近くまで値を戻す場面もあった。しかし、その後は売りが強まり、一時は6月7日以来となる155円10銭台まで水準を切り下げた。

 市場では、「新規の売り材料が出たわけではないが、実需の買いが一巡したところで前日からの流れが再燃した」(FX業者)との声が聞かれた。また、「テクニカル上、156円の節目を抜けられなかったのを眺めて売りが膨らんだ」(外為仲介業者)との見方もあった。

 ユーロは朝方に比べ対円で下落、対ドルで弱含み。正午現在、1ユーロ=168円33~35銭(前日午後5時、169円69~70銭)、対ドルでは1.0842~0843ドル(同1.0876~0876ドル)。