ハリス氏は「凡庸」、中国では弱い存在との論調-正式コメント控える

AI要約

中国は、バイデン大統領の撤退表明に伴い、ハリス副大統領が民主党の候補指名を目指すことになった経緯について控えているが、国営メディアやソーシャルメディアではハリス氏に対する様々な意見が広がっている。

ハリス氏の実績や経験に対する批判、トランプ前大統領の発言、中国ソーシャルメディアでの反応、そしてハリス氏と中国の関係についての憶測が存在している。

アナリストは、ハリス氏がバイデン政権の政策を継続すると予想し、バイデン氏の撤退が中国に与える影響は限定的であると考えている。

ハリス氏は「凡庸」、中国では弱い存在との論調-正式コメント控える

(ブルームバーグ): バイデン米大統領の撤退表明に伴い、ハリス副大統領が民主党の候補指名獲得を目指すことになった経緯について、中国は正式にコメントするのを控えている。だが、国営メディアやソーシャルメディアでは、ハリス氏は大統領候補として中国経済に大きな脅威を与えない弱い存在だとの論調が目立っている。

中国共産党メディア環球時報は、ハリス氏のホワイトハウスでの実績を「凡庸」と評価する専門家の話を引用。同氏には 「大統領としての経験と実績 」が欠けていると主張した。別の国営メディアは、ハリス氏はバイデン氏よりも「倒しやすい 」と選挙集会で語ったトランプ前大統領の発言を取り上げた。

ハッシュタグ「バイデン撤退」のアクセス数が約4億9000万回に上った中国のソーシャルメディア、微博(ウェイボ)上では、「これはトランプの勝利を意味するのだろうか」といったコメントがみられた。微博のユーザー1万2000人を対象としたオンライン投票では、80%近くが11月の米選挙で共和党が勝利すると予想した。

中国外務省の毛寧報道官は22日の会見で、バイデン氏が選挙戦からの撤退を表明しハリス氏を後任に推薦したことについて「米国内の問題」だと指摘。その上で「それについてはコメントしない」と述べた。

アナリストの多くは、ハリス氏が少なくとも当初はバイデン政権の貿易・外交政策を継続するとの見方で一致しており、民主候補の交代が中国に与える影響は軽微だと考えられている。

ハリス氏はタイで開催された国際会議の合間に習近平国家主席と面会しただけで、副大統領として中国を訪問していない。バイデン氏はカーター元大統領以来、在任中に中国を訪問しなかった初の米大統領となる見通しだが、習近平国家主席と「約90時間」にわたり、諸外国のどの指導者よりも「長い時間」を過ごしたと強調している。

ハリス氏にとっては、対中交渉でカリフォルニア州のニューサム知事が援軍となるかもしれない。ニューサム氏は昨年訪中した際、バイデン政権高官よりも建設的な協力のメッセージを打ち出したとして中国内で高い評価を得た経緯がある。