「ふるさと納税」仲介サイトに逆風? ポイント競争規制で何が変わるのか 横川楓

AI要約

ふるさと納税は自治体に寄付をして特産品などを手に入れる制度であり、仲介サイトを通じて利用されているが、ポイント競争規制が導入されることになった。

仲介サイトでポイントが付与されることで利用者が増えたが、ポイント付与が禁止されることで利用者の寄付先の選択が変わる可能性がある。

自治体が直接運営するふるさと納税サイトを通じて、寄付金の使い道や目的に着目してふるさと納税を行うことが重要であるとされている。

「ふるさと納税」仲介サイトに逆風? ポイント競争規制で何が変わるのか 横川楓

 自治体に寄付をすることで、各地の特産品などを手に入れることができる「ふるさと納税」。ネットショッピングのように寄付先を選べる「仲介サイト」を利用している方も多いと思います。しかし、そのルールが今後、大きく変わるかもしれません。

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 先日、インタビューを受けた際に、「ふるさと納税」が話題になりました。

 私はシャインマスカットが好きなのですが、普通にスーパーで買うとかなり高いため、税金的なメリットを受けながらゲットできるということで、シャインマスカットが返礼品となっている自治体に毎年、ふるさと納税をしています。

 そんなふるさと納税で、大きなニュースがありました。

 

「ふるさと納税ポイント競争規制 付与サイトで募集、禁止へ」(6月26日配信、朝日新聞デジタル)

総務省は25日、ふるさと納税のルールを見直すと発表した。利用者にポイントを付与する仲介サイトを通じて自治体が寄付を募集することを、来年10月から禁止する。利用者を囲い込むためのポイント競争が激化しており、規制の必要性が指摘されていた。

■仲介サイトに「逆風」

「ふるさと納税」は、自治体に寄付をすることで、そのお礼として特産品などの返礼品がもらえる制度。「納税」とついているので勘違いされている方も多いのですが、自治体に寄付をする仕組みです。

 寄付した金額のうち2千円を超える額が所得税と住民税から控除され、所得税の還付を受けられたり、住民税が減額されたりします。

 税金面でのメリットと、おいしい特産品などがもらえるということもあり、毎年ふるさと納税をしているという人も多いのではないでしょうか。

 

 ふるさと納税をするにあたり、多くの方が利用しているのが、ふるさと納税の仲介サイトかと思います。上記の記事によると、仲介サイトは自治体への寄付の受け付けなどを担い、「楽天ふるさと納税」「さとふる」「ふるさとチョイス」「ふるなび」を運営する4社で9割以上のシェアを占めるそうです。

 利用者としては、ネットショッピングで買い物をするかのように、仲介サイトで簡単にふるさと納税ができます。また、利用者の多くは、各種ポイントが貯まることをメリットと考えているはず。

 しかし、今回の総務省の発表によると、来年10月からはポイントを付与するサイトでは寄付の募集が禁止に。つまり、ポイントがつかなくなるということになりそうです。

■ふるさと納税は自治体のサイトでも

 ふるさと納税の窓口となっている仲介サイトですが、「ポイント」という大きなメリットがなくなれば、利用者の寄付先の選び方も変わってきそうです。

 先の会見で、松本剛明・総務相が「ふるさと納税は返礼品目当てではなく、寄付金の使い道や目的に着目して行われることに意義がある」と述べていました。

 実は多くの自治体が、寄付金の使い道などを詳しく説明し、ふるさと納税を直接受け付けるウェブサイトを設けています。このようなサイトを通して、利用者は寄付の「先」をより意識して、ふるさと納税ができるわけです。

 現在、すべての自治体に直営サイトがあるわけではありませんが、今回の総務省の発表を受けて、オリジナルのふるさと納税サイトを作る自治体が増えていくのではないでしょうか。