ソフトバンクGの含み益はAIブームで約24兆円まで膨らむ…税引前利益はついに黒字化、何がソフトバンクGを復活させたのか

AI要約

ソフトバンクGはアリババやヤフー投資で成功を収めたが、最近は赤字だった。しかしAIブームにより復活が期待されている。

子会社のアームをテコにAIブームに乗り始めており、再び注目を集めている。

業績は低迷していたが、最終赤字が減少しており、2024年3月期には回復の方向に向かっている。

ソフトバンクGの含み益はAIブームで約24兆円まで膨らむ…税引前利益はついに黒字化、何がソフトバンクGを復活させたのか

 かつてヤフーやアリババなどの投資で大きな成功を収めたソフトバンクGだが、2022年3月期に1兆円を超える最終赤字を計上し、近年は守りを固めていた。しかしAIブームの到来により、株式の含み益は約24兆円となり復活ののろしが上がっている。

 子会社のアームをテコにAIブームに乗り始めているソフトバンクGは、再び注目を集めることになりそうだ。みんかぶプレミアム特集「決算書1000本ノック」全12回の第7回。

 ソフトバンクG<9984>は携帯電話事業を切り離し、現在は投資事業に特化しています。しかしその投資事業で、2022年3月期には1兆円を超える大赤字を計上しました。

 その後、体力の回復に努め、孫会長兼社長も表舞台に姿を見せることは少なくなりました。しかしAIブームの到来で、同社は復活ののろしを上げつつあります。

 かつて経営の屋台骨を支えたアリババ株は姿を消したものの、2016年に約3兆円で買収したアームは、2023年9月にナスダック市場に上場しました。そして今や時価総額は約27兆円となり、ソフトバンクGのAI戦略の核となる企業です。直近のソフトバンクGの業績推移を見てみましょう。

 ソフトバンクGの業績推移及び来期予想は下記となります(IFRS基準)。

・2022年3月期 売上高6兆2215億円、税引前利益▲8695億円、当期利益▲1兆7080億円

・2023年3月期 売上高6兆5704億円、税引前利益▲4691億円、当期利益▲9701億円

・2024年3月期 売上高6兆7565億円、税引前利益578億円、当期利益▲2276億円

※当期利益=親会社の所有者に帰属する当期利益

 2022年3月期に1兆円を超える最終赤字を計上した同社ですが、赤字額が減少しつつあります。2024年3月期まで赤字が続いていますが、2024年3月期は税引前利益が黒字化するなど、回復の方向にあるといえるでしょう。

 体力の回復及び次の相場を待つ、というのが大赤字計上後の同社の基本方針でしたが、遂にAIブームという次の波が到来しています。