スーパーフォーミュラ「第1回瑶子女王杯」予選、KCMGの福住仁嶺がチーム初ポール獲得

AI要約

予選Q1では岩佐選手が大活躍し、Aグループのトップに躍り出た。

Q2ではホンダからトヨタ陣営に移籍した福住選手がKCMGチーム初のポールポジションを獲得。

公式会見では、福住選手の喜びと自信、岩佐選手の悔しさと決意、大湯選手の分析と意気込みが語られた。

スーパーフォーミュラ「第1回瑶子女王杯」予選、KCMGの福住仁嶺がチーム初ポール獲得

■ 予選Q1では岩佐選手が大活躍、Aグループのトップに

 スーパーフォーミュラ第4戦富士「第1回瑶子女王杯」が7月20日~21日の2日間にわたって富士スピードウェイで開催されている。20日にはフリー走行と予選が行なわれ、日曜日の決勝レースに向けたグリッドが決定した。ポールポジションを獲得したのは福住仁嶺選手(8号車 Kids com KCMG Elyse SF23)、2位は岩佐歩夢選手(15号車 Red Bull MOTUL MUGEN SF23)、3位は大湯都史樹選手(39号車 VERTEX CERUMO・INGING SF23)。

 7月20日の富士スピードウェイは、予選が始まる段階で気温32℃と非常に暑く、ドライ路面で争われた。予選はスーパーフォーミュラの通例どおり、21台がAグループ、Bグループの2つに分けられて予選1回目(Q1)を戦い、そのQ1の2つのグループの上位6台が予選2回目(Q2)に進む形で行なわれた。

 Q1 Aグループでトップタイムをマークしたのは岩佐歩夢選手。岩佐選手は、昨年までF1直下のカテゴリーになるF2に参戦しており、その結果から発行されるF1のスーパーライセンスを入手している。今年4月に行なわれた鈴鹿サーキットでのF1日本GPでは、FP1に角田裕毅選手と一緒にRBから参加するなど、レッドブルとホンダの両方から期待されている若手注目選手だ。

 2位は第2戦オートポリスで初優勝を実現した牧野任祐選手(5号車 DOCOMO DANDELION M5S SF23)、3位には山本尚貴選手(64号車 PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が入り、ホンダエンジン勢がトップ3を独占した。

 以下、阪口晴南選手(38号車 VERTEX CERUMO・INGING SF23)、笹原右京選手(37号車 VANTELIN TOM’S SF23)、小高一斗選手(4号車 REALIZE Corporation KONDO SF23)までがQ2へと進んだ。

 Q1 Bグループでは今シーズンにホンダ陣営からトヨタ陣営に移籍して話題を呼んだ福住仁嶺選手(8号車 Kids com KCMG Elyse SF23)がトップタイム、2位も同じくホンダ陣営からトヨタ陣営に移籍した大湯都史樹選手(39号車 VERTEX CERUMO・INGING SF23)、3位は山下健太選手(3号車 REALIZE Corporation KONDO SF23)となり、こちらはトヨタ勢が1-2-3となった。

 以下、坪井翔選手(36号車 VANTELIN TOM’S SF23)、野尻智紀選手(16号車 Red Bull MOTUL MUGEN SF23)、太田格之進選手(6号車 DOCOMO DANDELION M5S SF23)となり、ここまでがQ2へ進出した。

■ Q2ではホンダからトヨタ陣営に移籍した福住仁嶺選手がKCMGチーム初のポールポジションを獲得

 Q2では、そのQ1のAグループ、Bグループのトップ6がポール争いを展開した。ポールポジションを獲得したのは福住仁嶺選手。今年ホンダからトヨタへ移籍した福住選手は、移籍後初めてのポールポジション獲得となった。また、KCMGチームに関してはチーム初のポールポジションとなる。

 2位はホンダ勢の最上位となる岩佐歩夢選手。岩佐選手は第2戦オートポリスでのポールポジション、第3戦スポーツランドSUGOの予選2位に続く3戦連続のフロントロー獲得となった。

 3位は福住選手と同じくホンダ陣営からトヨタ陣営へ移籍した大湯都史樹選手で、移籍後最上位グリッドとなる。前戦の5位に比べて予選順位が上がっており、上り調子の結果と言える。

 4位は坪井翔選手、5位は太田格之進選手、6位は牧野任祐選手。また、ポイントリーダーの野尻智紀選手は7位と予想外のグリッドになり、ランキング2位の岩佐選手にとっては野尻選手とのポイント差を縮める絶好のチャンスが訪れたことになる。

第1回 瑶子女王杯 順位結果(正式結果)

■ チーム初のポールポジションを獲得した福住仁嶺選手は「夢かと思った」と

 予選終了後には予選上位3名のドライバーによる公式会見が行なわれた。ポールポジションを獲得した福住仁嶺選手、予選2位の岩佐歩夢選手、予選3位の大湯都史樹選手が参加して行なわれた。

──ポールを獲得した感想を。

福住仁嶺選手:とてもいろいろな人が大きな声を出してよろこんでくれている状況だったので、ハッキリ誰だか分からなかったのだが、多分土居さん(KCMGチーム監督の土居隆二氏)の声だと思うのだが、興奮してみんながよろこんでくれていた。これまでの2シーズン、なかなか結果が残せないシーズンが続いていた。

 KCMGもそうだったと思うのだが、その苦労していたチームに僕が来て結果を出すことができた。予選で泣きそうになったことはなかったけど、(そうなりそうなぐらい)うれしかった。

──ポールをとった意味は?

福住仁嶺選手:チームにとってのポールと聞いている。これまで最高位が2位だったそうなので、初めて獲れたのがうれしくて、これ夢じゃないのかと思うぐらい素直に嬉しかった。

──2位になった岩佐選手、フリー走行の状況を考えるとよい結果だったという話しもしていたが?

岩佐歩夢選手:(ポールを獲れなかったのは)悔しい。ここ最近ずっと2位が続いている(第2戦の決勝レースも2位、第3戦は予選、決勝とも2位)ので、ポールを取り切れなかったのは悔しい。フリー走行ではフィーリングがよくなくて苦戦していた。

 チームとはトップ5ぐらいで、トップ3に入れればいいよねという話しをしていた。フリー走行からいろいろな修正を加えて、それがQ1にあっていて、Q2では特に変更する必要がなかった。

 挑戦はしてみたけど、ポールポジションにはわずかに足りなかった。レースではロングランが重要になるので、それに向けてしっかり調整して優勝したい。

(チームメイトでポイントリーダーの野尻選手が7位だが、と聞かれて)フリー走行の段階では2台とも同じように苦戦しており、同じようなポテンシャルだったが、自分の方は予選までに改善された。明日は明日になってみないとわからないので切り替えてやっていきたい。

──3位になった大湯選手、予選の感想は?

大湯都史樹選手:普通に悔しい。自分自身もマキシマムで走っていたし、100分の3秒、どこが違うんだろう……ヘアピンと1コーナーなどかな……(そこで失敗したの?と福住選手にツッこまれ)失敗はしていないけど、まだやれたかなと思うところもあったので……決勝までに何がたりていなかったのかよく分析したい。今日2位の岩佐選手が、この間のテストでずっとロングランをやっていて、彼が明日早そうなので、僕ら(大湯選手とポールの福住選手の)トヨタ勢でしっかり止めたい。

──決勝は瑶子女王杯もかかった重要な決勝レースになる。明日の決勝レースに向けた意気込みを教えてほしい。

福住仁嶺選手:ロングランのテストは十分できていないので、明日に向けては不安も多い。しかし、予選でポールを獲ることができたのは自信につながる。ここまでよい流れで来ているので、最低でも表彰台で終わりたいと思うし、可能ならチーム初優勝を挙げたいと思っている。その意味では明日に向けてチームとちゃんと分析ができるかが重要になる。チーム一丸となって、優勝を目指してがんばりたい。

岩佐歩夢選手:ドライバーとしてやるべきことは変わらないと思うので、自分自身とチームとですべてを出し切って優勝を獲りにいきたい。最近は悔しい思いが続いているので、後悔しないようにこれまでと同じく全力で頑張りたい。

大湯都史樹選手:前の2人は速いし、後ろとの差も僅差で近いところにいる。前回大会まで感じていた部分、特に決勝でも課題をテストでさまざまなトライしていいアイテムが見つかっている。進化したセルモインギングをお見せしたい。