トランプ再選がもたらす「自動車関連企業」への影響! 押さえておくべき“2つのポイント”とは

AI要約

11月の米大統領選挙を前に、トランプ氏が銃撃される事件が発生。しかし、その姿勢が支持を集め、再選を有利にする可能性が高まっている。

バイデン大統領はトランプ批判が難しくなり、支持率低下のリスクが高まっている状況下で、日本企業はトランプ再選のシナリオを想定しておく必要がある。

トランプ再選の場合、米中間の貿易摩擦は続く見込みであり、トランプ政権が中国製品に対する関税を引き上げる措置を再び実行する可能性が高い。

トランプ再選がもたらす「自動車関連企業」への影響! 押さえておくべき“2つのポイント”とは

 今日、日本企業が最もその行方を注視する地政学的な問題があるとすれば、それは間違いなく11月の米大統領選挙の行方だろう。

 しかし、本番まで既に4か月を切っているなか、7月13日、トランプ氏がペンシルバニア州で支持者を集めた集会で演説している最中にライフル銃で撃たれる事件が発生した。

 トランプ氏は命に別条はなかったものの、弾が右耳の上部を貫通し、重傷を負ったが、血を流しながらも右手の拳を高々と掲げる姿を支持者たちにアピールし、周辺は大きな拍手に包まれた。

 トランプ氏を狙ったのは20歳で白人のトーマス・クルックス容疑者だったが、発砲直後にシークレットサービスに射殺され、犯行の具体的な動機などはつかめない状況となっている。

 今回の事件によって、大統領選の行方はトランプ氏に有利な展開となる可能性が非常に高い。銃撃を受けた直後にも関わらず、トランプ氏は政治的暴力に屈しない勇敢な姿を示した。

 しかし、それはトランプ支持者だけでなく、これまでトランプ氏と距離を置いてきた共和党議員や党員からも共感の声が広がっており、さらには無党派層の一部も感銘を受けたとの共感を示し、トランプ支持に回る可能性が考えられる。

 一方、最近は北大西洋条約機構(NATO)首脳会合の席で、ウクライナのゼレンスキー大統領をロシアのプーチン大統領と呼び間違えるなど内外から退陣論がささやかれているバイデン大統領は、今回の事件によってさらに劣勢に立たされている。

 これまで両者はお互いを批判することで選挙戦を展開してきたが、銃撃されても負けない姿勢を内外に強く印象づけたトランプ氏を今後も批判することは、バイデン大統領にとって難しいものになっている。

 今後もバイデン大統領がトランプ批判を継続すれば、自らの支持率低下につながっていくリスクが高まるだろう。

 こういった状況下では、日本企業はトランプ再選のシナリオを今のうちから想定しておく必要があろう。では、トランプ再選となればどういった状況が生じることが考えられるのか。ここではふたつ紹介したい。

 ひとつは、米中間の貿易摩擦であるが、これは間違いなく

「4年間」

は続くことになる。バイデン政権は最近も中国製の電気自動車や太陽電池、鉄鋼やアルミニウム、非先端半導体など180億ドル相当の中国製品に対する関税を引き上げると発表した。

 トランプ氏は政権1期目の際、米国の対中貿易赤字を是正する目的で、2018年から4回にわたって3700億ドル相当の中国製品に最大25%の関税を課す措置を発動しており、この先制的ともいえるような貿易規制措置は再び実行される可能性が極めて高い。

 実際、トランプ氏は大統領に返り咲けば中国製品に対する関税を一律60%引き上げると主張している。対中姿勢において、トランプ氏とバイデン大統領では大きな違いはないのである。