プロインタビュアー・吉田豪「ライターとして売れたいなら、まずは常識を守りなさい」ターザン山本の「ライター講座」でターザンの言っていることを全部ひっくり返した

AI要約

吉田豪氏はインタビューと書評のプロとして活躍する才能を持つ人物である。彼のライティングの極意は、常識を守りつつ、連絡を取ることや締切を守ることの重要性を強調している。

常識を守ることは競争力を高めるために不可欠であり、若い女性のライターが優先的に使われる傾向もある。しかし、偉そうな態度を取らず、いじられるキャラクターを保つことが重要である。

重要なのは、常識を守りながらも自分らしさを大切にし、クオリティの高い原稿を提出することである。

プロインタビュアー・吉田豪「ライターとして売れたいなら、まずは常識を守りなさい」ターザン山本の「ライター講座」でターザンの言っていることを全部ひっくり返した

「プロインタビュアー」という肩書からも、吉田豪氏がインタビューでプロフェッショナルを発揮することはもはや周知されている。だが、他にも「プロ書評家」という肩書を持っており、著者の人間性、特異性を炙り出す天才的な“文章芸”は特筆すべきものだ。みんかぶプレミアム特集「なぜあなたの文章はつまらないのか」第6回は、吉田氏に心躍らせるライティングの極意を記してもらう。

 以前、ターザン山本に頼まれて「ライター講座」なるものに講師として出たことがあるんですよね。ターザンは「常識なんか無視しろ!」とか極端なことを言うのが好きな人で、何も知らない人に「なんかこの人はすごいこと言ってる」と錯覚させるやり方を得意としているんですけど、ボクはそれをすべてひっくり返したんですよね(笑)。「こういう人の意見を参考にしちゃダメですよ~。実際それで仕事を次々と失っている人なんですから」と。

 その上で伝えたのは「とにかく常識を守ろう」ということでした。「つまらないことを言ってると思うかもしれないですけど、ちゃんと連絡を取るとか、原稿を落とさないとか、そういうことが重要なんですよ」って。たとえば、同じぐらいのクオリティの原稿を書く人間が2人いた場合、どう考えても早く連絡がつく方にお願いするじゃないですか。

 電話に出るのが苦手だったり、締切を過ぎてギリギリにならないと原稿を書かないとかであれば、よっぽど面白い原稿を書く人でもないと競争には勝てない。そう考えると、まず最低限の常識があるに越したことがないんですよ。あと、「年を重ねていくと、編集が頼みづらくなる説」というのがあって、めんどくさそうなベテランの男性ライターよりは、明るく若い女性のライターが優先的に使われたりするかもしれません。

 それを突破するには、もうとにかく“偉そうな空気”を出さない。多少雑に扱っても、いじっても大丈夫そうなキャラクターでいることが大事ですね。もちろん原稿のクオリティは保った上で。