G1覇者として地元に凱旋!デビュー10年を迎えた石井貴子「できることをまた一歩一歩やるだけ」/ガールズケイリンフェスティバル・特別インタビュー

AI要約

石井貴子が逆境を乗り越えてG1タイトルを獲得した経緯。

石井貴子がG1出場を平常心で迎えた様子。

石井貴子が決勝戦への準備や戦略を語る。

G1覇者として地元に凱旋!デビュー10年を迎えた石井貴子「できることをまた一歩一歩やるだけ」/ガールズケイリンフェスティバル・特別インタビュー

 6月13日、第2回パールカップ(G1)決勝を制して、石井貴子(34歳・千葉=106期)がタイトルを獲得した。2021年、トップ戦線をひた走っている最中、落車によって大ケガを負う。復帰後も低迷が続き、さらなるケガも重なった。そんな逆境にも屈せず、“復活”のG1優勝。この偉業に多くのファンが心を揺さぶられたことだろう。今回のガールズケイリンフェスティバルはタイトルホルダーとしての地元凱旋レース。夏の大一番を前に石井貴子にインタビューを実施した。(取材・文 八角あすか)

ーーパールカップ優勝、改めておめでとうございます!

貴子:ありがとうございます!

ーーそのパールカップがG1初出場でした。それまで客観的にG1をどう見ていましたか?

貴子:これまでガールズコレクションをはじめ、単発レースでは「サマーナイト」だけが勝ち上がり3日制でした。競輪祭も3日制だけど、2番組あって2人優勝、2つのグランプリの出場権があるという制度の時に私は走っていたので、 勝ち上がり3日制のG1という格付けのレースが導入され、優勝すればグランプリ出場という制度に移行して非常に良かったなとは思っていました。

 それぞれの単発レースは選考も厳しいし、特にサマーナイトだけが勝ち上がり3日制で、勝つことが一番難しい大変なシリーズでした。それで優勝してもグランプリの権利は与えられない。競輪祭にはグランプリの権利が付くという形態に若干「ん?」っていう部分はあったので、分かりやすくなったことについては良かったなと見ていました。

ーー初出場となったG1はどんな気持ちで迎えましたか?

貴子:感覚的には普段の開催と同じような取り組み方と気持ちで入りました。特別な意識はありませんでした。怪我をする前までは、毎年、毎年、コレクションを勝ってグランプリに乗るということをやっていて。選考期間の過ごし方についても、年に3、4回ある全てのタイトルレースには優勝するチャンスを増やすために出なきゃいけないし、その中でチャンスが回ってきたときに一本獲って、という取り組み方をしていました。

 私はバンバン追加をもらえたり、本数を走らせてもらえる選手ではなかったので「一本獲んなきゃ厳しいよ」っていう感じで、ずっとやってきていました。当時と同じ取り組み方をしていたら「今回も何とか獲れるように」と思ってレースに入っていたかもしれません。

ーーパールカップには自然体で、ということでしょうか?

貴子:私はトップ戦線から離脱していたし、自分の立ち位置的に「そういったことを考えながら入っていくような立場ではない」とも自覚していたので、本当に特別な感覚はなかった。ただ、レースに向けて「しっかりと準備やできることを」と思ってやっていましたけど「今回、獲ってやる」とか「勝ってグランプリへ」とかは全く思っていなかったです。

ーーいざ、レースに入ってシリーズ中の流れ、手応えはどうでしたか?

貴子:そこに関しても、余計なことを考えないようにすることを大切にしていて、周りがどうとか全体のレベルとか、そんなに大きいことは考えていなくて。番組が出て、自分の車番と対戦相手が分かって、そこから「じゃあ自分はどうするの? 今、何ができるの?」と考えて、もちろん1着が取れるようにという前提で考えはするんですけど、考えたことをちゃんと自分でやりきれるかどうかっていうだけでしたね。

 初日に関しては1着だったので「できたね」って感じだったし、2日目に関しては車番や初手の位置、組み立てを含めて想定外になったときに「臨機応変に対応できず、4着になってしまったね」っていう評価でした。

ーー決勝戦はどういったことを考えて挑みましたか?

貴子:初日は3番車、2日目は1番車と内枠で走っていたので、比較的、想定がしやすかった。でも、2日目の1番車は、それが裏目に出てしまって。何とかギリギリ勝ち上がれて、決勝は7番車ということだったので、7番手から始めなくちゃいけないと想定して入りました。

ーー初手から奥井選手の後ろになりました。

貴子:初手の位置7番手で、そこから2、3パターンの展開を考えてはいたんですけど…。奥井選手が6番手からレースを組み立てるのは想定外でしたし、道中も柳原選手がずっと併走していて。1車併走になった分、隊列が短くなるわけじゃないですか。奥井選手の位置が5番手になっているわけなので、そのあたりも想定外。位置は取りに行って取れるものでもないし、あの並びになるのは隊列が整ってからしか分かりませんでした。