YouTube150万登録超え“街録ch”ディレクター「強烈な過去を話す“覚悟”がある人の回は伸びる」一番インパクトがあった出演者の強烈エピソード

AI要約

「街録ch」は、運営主の三谷三四郎氏が一対一で取材対象者の人生を根掘り葉掘り聞いていく、チャンネル登録者数150万人超えの人気YouTube番組だ。

動画一本はどれも1時間近い長尺であるうえに、出演者はセンセーショナルな自身の過去をせきららに語る。三谷氏は一体どうやって相手から話を聞き出しているのか。

街録chでは、ホス狂いになった妻の借金を返すためにゲイに体を売っていた男性、中学2年生のときに祖父から性被害を受けていた女性など、壮絶な過去を自ら話す人たちが多く出演していますが、そういう人たちの「話す動機」ってどこにあるんでしょうか。

三谷

「なかったことにしたくない」という思いを感じるときはあります。自分と同じような経験をしている人がいるのかもしれないし、誰かわかってくれる人がいるかもしれない。その問題をどうにかしたいという人も時々いますけど、誰かに聞いてもらいたいっていうのが一番の欲求としてあるのかもしれないですね。

YouTube150万登録超え“街録ch”ディレクター「強烈な過去を話す“覚悟”がある人の回は伸びる」一番インパクトがあった出演者の強烈エピソード

「街録ch」は、運営主の三谷三四郎氏が一対一で取材対象者の人生を根掘り葉掘り聞いていく、チャンネル登録者数150万人超えの人気YouTube番組だ。

 動画一本はどれも1時間近い長尺であるうえに、出演者はセンセーショナルな自身の過去をせきららに語る。三谷氏は一体どうやって相手から話を聞き出しているのか。

 ルポライターの國友公司氏が本人に聞いた。みんかぶプレミアム「なぜあなたの文章はつまらないのか」第三回。

――街録chでは、ホス狂いになった妻の借金を返すためにゲイに体を売っていた男性、中学2年生のときに祖父から性被害を受けていた女性など、壮絶な過去を自ら話す人たちが多く出演していますが、そういう人たちの「話す動機」ってどこにあるんでしょうか。

三谷

 「なかったことにしたくない」という思いを感じるときはあります。自分と同じような経験をしている人がいるのかもしれないし、誰かわかってくれる人がいるかもしれない。その問題をどうにかしたいという人も時々いますけど、誰かに聞いてもらいたいっていうのが一番の欲求としてあるのかもしれないですね。

 話す覚悟ができているって強いんですよ。そういう覚悟がある人の動画はやっぱり再生回数も回ります。どんな動画でもサムネイルで興味を引くように工夫していますけど、最終的にやっぱり内容です。強烈なインパクトのある中身がないと、爆発的ヒットになるような動画にはなりえないですね。感動的な話であればいいというわけでもない。

――三谷さん的に強烈だったお話って、どれですか。

三谷

 いっぱいありますよ。今のところ障害者専門風俗嬢の女性が出てくれた動画が一番回っているんですけど、この人は自分がこの仕事をしようと思ったきっかけの部分がセンセーショナルで。とあるお母さんが障害者である息子の性欲処理のために息子とセックスをしていて、息子もこだわりが強いもんだからコンドームをつけた状態でセックスできない。それで子供ができちゃって流産したという話を福祉関係の人に聞いたらしいんです。なんでこんないろんなことが発達しているはずの世の中なのに、障害者の性を処理するサービスはぽっかりと未発達なんだろうか。そう思ってこの仕事を始めたんですってその女性は淡々と語るんですよね。そういった内容を顔出しで語る姿っていうのは何か惹きつけられるものがあると思うんです。

 昨今は性加害がたびたび話題になりましたけど、肉親からの性被害ってなにも漫画の中だけの話じゃない。中学2年生のときに祖父から性被害を受けていた女性が出てくれた動画では、その女性が性被害によってどんな精神疾患に苦しみ、その後どんなふうに人生が転がっていったのかがわかる。別に彼女はそれを意図しているかわからないですけど、性加害というものが後にその人間をどれだけ苦しめることになるか、っていうのがわかるようになっている。ただのエログロコンテンツではなく、誰かのためになっていると思うんです。現在進行形の当事者とかもきっといるわけじゃないですか。まったく同じじゃないにしても近しい経験をしている人がいれば、自分だけじゃないんだって思える救いになった可能性もあります。