銅相場押し下げか、中国の電力大手が送電網向けに代替品の購入拡大

AI要約

中国国家電網が銅購入方針を変更し、アルミ線を増やしている可能性が注目されている。

世界の銅需給に大きな影響を与える可能性があり、銅価格の上昇が予測されている。

中国政策の変化や銅の代替品の使用増により、銅市場には不透明な要素がある。

銅相場押し下げか、中国の電力大手が送電網向けに代替品の購入拡大

(ブルームバーグ): 銅価格が記録的な水準まで急伸し、その後再び下げに転じたこの数カ月間、中国の国有電力会社である中国国家電網の購入方針に金属業界の関心が集まった。

単独の銅のバイヤーで最大手の同社は今年に入り銅線の購入を減らし、同時に安価な代替品であるアルミ線の購入を増やしている。高騰する銅価格への当然の対応なのは間違いないが、こうした変化をきっかけに、何かもっと大きなことが起きているのではないか、金属業界で最も重要でありながら不透明な買い手の一角が世界市場を揺るがしかねないような方針転換をしようとしているのではないかといった議論が活発化した。

中国の電力網に銅の代替品が大々的に使われるようになれば、世界の需要に重大な影響を与えることになる。それを根拠に、今後数年で銅不足が深刻化し銅価格が上昇するという広範なコンセンサスに対して逆張りを勧めるトレーダーもいる。中国は世界最大の銅消費国で、世界の供給量の4分の1強が中国の電気ケーブルに使われている。

CRUグループのワイヤ・ケーブル部門責任者、チェンフェイ・ワン氏は「中国では新しい話題ではない。銅が値上がりするたびに、この話題は 『ホット』になる」と語った。

国際銅協会の最近の発表によれば、世界の銅消費量はこの10年にわたり年間約1-1.5%減少。代替品の使用増が背景にある。

主に中国の購入が低迷していることから世界の銅市場の供給は今のところ十分だが、銅業界では今後数年間は大幅な供給不足になり、価格が劇的に押し上げられる可能性があると広く考えられている。

中国ではある種の配線や発電用に銅の使用が法的に義務付けられており、トレーダーは政策転換の兆しがないか注視している。

銅の代替品

中国の80%余りに電力を供給する国家電網は特定の購入に関してのみ公開入札を利用しており、入札を行う場合もアルミ線と銅線のどちらを購入するかは必ずしも公表していない。このため、購入の決定について調査するのは困難だ。