777X、型式証明取得へ飛行試験開始 ANAも発注

AI要約

ボーイングは777Xの型式証明取得に向けた飛行試験を開始した。

777Xは777の後継機で、2クラス395席の777-8と426席の777-9の旅客型2機種、最大積載量118トンの貨物型777-8Fで構成される。

世界最大規模の航空ショーでの展示は不祥事の影響から見送られる見込み。

777X、型式証明取得へ飛行試験開始 ANAも発注

 ボーイングは現地時間7月13日、次世代大型機777Xの型式証明取得に向けた飛行試験をシアトルのボーイング・フィールド(キング郡国際空港)で始めたと発表した。777-9の飛行試験3号機(登録記号N779XY)が使用された。

 777の後継機となる777Xは、メーカー標準座席数が2クラス395席の777-8と426席の777-9の旅客型2機種、最大積載量(ペイロード)118トンの貨物型777-8Fの計3機種で構成。開発は777-9から進められている。

 主翼が777よりも長くなったことから翼端を折りたためるようにし、777が現在乗り入れている空港に就航できるようにした。このため、全幅は翼端を展開時は71.75メートル、地上で折りたたみ後は64.82メートルとなる。737 MAXや787で品質問題が相次いでいることから、FAA(米国連邦航空局)は777Xの型式証明についても、従来より厳格な姿勢で挑んでおり、今後の判断が注目される。

 ボーイングの受注歴によると、6月30日時点のキャンセルを含む777Xの総受注は540機で、受注残は481機となっている。日本では全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が777-9を18機、777-8Fを2機発注済み。

 世界最大規模の航空ショーで奇数年6月開催の仏パリ、これに次ぐ偶数年7月にロンドン近郊で開かれる英ファンボローでは、ボーイングとエアバスの受注合戦が繰り広げられる。昨年のパリ航空ショーには、ボーイングは777Xの飛行試験初号機(777-9、N779XW)を持ち込み、デモンストレーションフライトや地上展示を行い、競合となるエアバスA350-1000型機との違いをアピールした。今月22日にロンドン近郊で開幕するファンボロー航空ショーでは、不祥事が相次いだことから777Xなど民間機の自社による展示は見送る方針を示している。