「お前じゃ話にならない」「馬鹿野郎!」「常識がないやつだ!」怒鳴り散らすクレーマーに有効な3つの対応策

AI要約

厚労省作成の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を参考に、大企業がカスハラへの対応方針を公表。

研修講師の津田卓也氏の著書から、カスハラやハードクレームへの対応方法を解説。

クレーム対応には組織が主体となる対応マニュアル作成やシミュレーションが必要。

「お前じゃ話にならない」「馬鹿野郎!」「常識がないやつだ!」怒鳴り散らすクレーマーに有効な3つの対応策

客からの理不尽なハードクレームやカスタマーハラスメントへの対策は多くの企業・組織にとっての急務となっています。2022年に厚労省が作成した「カスタマ―ハラスメント対策企業マニュアル」を参考に、大企業が次々とカスハラへの対応方針を公表しています。

今回はクレーム対応百戦錬磨の研修講師である津田卓也氏の著書『カスハラ、悪意クレームなど ハードクレームから従業員・組織を守る本』より、カスハラやハードクレームの対応方法を解説します。

■大企業が次々とカスハラへの対応方針を公表

 今年入り、大企業が次々とカスハラへの対応方針を公表しています。しかし、各社が発表した対応方針の内容をみても、具体的にどのような行為をカスハラとするのかは厳密に定義されていません。

 また、カスハラ対策に注目が集まっているといっても実際の対応方法についてはまだまだ浸透しておらず、真摯に対応すべきクレームと、毅然と断るべきハードクレームとを区別せずに扱っている組織がほとんどです。

 カスハラやハードクレームは、従来のクレーム対応とは全くの別物として対処する必要があります。そして、これらに対処するには、組織が主体となって対応マニュアルの作成とバックアップ体制の整備を進める必要があります。ハードクレーム対策は、現場スタッフの接客スキルの問題ではないからです。

 クレームは突発的に起きる上に、多種多様なため、いくらクレーム対応の方法について勉強し、研修を受けていても、なかなか上手に対応ができないというご相談を受けることは少なくありません。それでも、クレーム対応は初動が肝心ですから、落ち着いて対応することが必要です。

 どう対応すれば良いかを何度も繰り返してフレーズと共にシミュレーションすることで、実際にクレームが起きて、シミュレーション通り対応していくうちに、だんだんと落ち着くことができます。個人のスキルに頼るのではなく、組織が主体となって対応法を決め、現場でシミュレーションすることが重要なのです。

 では実例をシミュレーション形式で見ていきましょう。

■怒っている場合は「3つの代える」を実践

【事例:怒鳴られ、暴言を吐いてくるお客様】