債券上昇か、米金利低下や20年入札無難予想-買い入れ減額警戒は重し

AI要約

11日の債券相場は上昇が予想されており、米国の長期金利低下や内国債入札の影響を受ける見込み。

20年国債入札が無難に終了するとの予想も相場を支えるが、日銀の債券市場参加者会合による警戒感もある。

小口氏は相場はもみあいつつも底堅く、入札後の相場上昇は難しいと指摘。

(ブルームバーグ): 11日の債券相場は上昇が予想されている。米国の長期金利が順調な10年債入札を受けて低下した流れを引き継ぐほか、国内で行われる20年利付国債入札を無難に終えるとの予想も相場を支える。半面、日本銀行が開いた債券市場参加者会合を受けて国債買い入れの減額規模が膨らむことへの警戒感は引き続き重しとなりそうだ。

三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャーは、債券相場はもみあいながらも底堅い展開と予想。20年国債入札について「金利水準が前回入札より高いことや相対的価値から買いやすく、一定の需要が見込まれ、無難からしっかりした結果になりそうだ」と述べた。

同氏の新発10年物国債利回りの予想レンジは1.075~1.095%(10日は1.085%で終了)、先物中心限月9月物は142円69銭~142円92銭(同142円82銭)。

先物夜間取引で9月物は10日の日中取引終値比変わらずの142円82銭で終えた。

日銀は10日、生命保険会社など機関投資家との債券市場参加者会合を開いた。会合では日銀の国債買い入れについて、流動性への懸念から日銀に緩やかな減額を求める意見が出た一方で、買い入れ自体をやめるべきだとの声もあった。会合の参加者が匿名を条件に明らかにした。

9日の銀行や証券会社との同会合では、メガバンク3行と複数の証券会社が日銀に国債買い入れの積極的な減額を求めた。複数の関係者への取材で分かった。

三菱UFJアセットマネジメントの小口氏は、報道などから「減額について強弱両サイドの意見が出たもようだ」と指摘。「潜在的な減額への警戒感はあるので、入札後も相場がどんどん上昇することは難しいだろう」との見方を示した。

20年国債入札

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