夏のボーナス、貯蓄・資産形成に回す人が増加 理由は「新NISA」

AI要約

日本生命が夏のボーナスに関する調査を実施し、貯蓄・資産形成に回す人が増加していることが明らかになった。

調査では、生活費補填や国内旅行にボーナスを使う人が多い一方、教育費補填も重要視されていることが分かった。

増えた金額を資産形成に回す人には、新NISA制度や収入増加が理由として挙げられており、将来的に投資への流れが期待されている。

夏のボーナス、貯蓄・資産形成に回す人が増加 理由は「新NISA」

 日本生命(大阪市)は、全国の男女を対象に「夏のボーナス」に関する調査を実施した。ボーナスの何割を貯蓄・資産形成に回すかとの質問で、最も多かったのは「回さない」と答えた人で21.9%だった。「回さない」と答えた人は前年より3.2ポイント減少し、貯蓄・資産形成に回す人がやや増えていることが分かった。

 次いで「4~6割未満」を貯蓄・資産形成に回すと答えた人が16.7%、「10割(全額)」が12.8%だった。

 貯蓄・資産形成以外でボーナスを何に使うかを尋ねた。1位は「生活費の補てん」で19.8%、2位は「国内旅行(宿泊あり)」で16.0%、3位は「買い物(自分の欲しいもの)」で14.1%だった。子育て世帯で絞ると、「教育費の補てん」が12.9%で3位にランクインした。

 ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストは「今回のボーナスの使い道については、貯蓄・資産形成に回すという人が増えている。最近の株高や物価上昇、新NISA制度の開始を受けて、資産形成への意識が高まったのではないか。貯蓄・資産形成以外では、『生活費の補てん』『国内旅行(宿泊あり)』が上位に挙がった。コロナ禍以降のリベンジ消費がある一方、生活が厳しくなりつつある実態をうかがわせる結果となった」とコメントした。

  前年と比べ、貯蓄・資産形成にあてる金額に増減はあったか聞いた。「変わらない」と回答した割合が最も多く、66.2%と半数を超えた。「減った」と答えた人は19.1%、「増えた」人は14.7%だった。

 貯蓄・資産形成にあてる金額を増やしたと回答した人に、増やした理由を尋ねた。最も多かったのは「新NISAなど」で42.4%、次いで「収入の増加」が34.0%、「ライフスタイルの変化」が11.5%だった。

 矢嶋康次氏は「貯蓄・資産形成にあてる金額に大きな変化は見られなかったが、増やした人の多くは新NISA制度を理由の1つに挙げた。日本人はリスク性資産の保有割合が低かったが、今後『貯蓄から投資へ』という流れが進み、第2の所得の柱となるか注目している」とコメントした。

 今回の調査は、全国の男女を対象にインターネットで実施した。期間は6月1~14日、有効回答数は1万4731人(男性7178人、女性7352人、その他・未回答201人)。