テマセク最大の投資先、中国から米州に-米国とインドに軸足シフト

AI要約

シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスは、対中投資からのリターンが悪化し、米国とインドが重要な役割を果たすと報告した。

中国資本市場の低迷により、テマセクの投資ポートフォリオは変動し、中国への投資が減少。

テマセクは今後は米国を最大の投資先とし、インドへの投資も増やす方針を示している。

(ブルームバーグ): シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスで対中投資からのリターンが一段と悪化し、米国とインドが運用成績向上に大きな役割を果たした。

テマセクは9日、3月末に終了した会計年度の株主総利回り(TSR)を1.6%と報告。中国資本市場の低迷により、中国資産の評価が下がったという。同社は2022年4月-23年3月のTSRがマイナス5.07%だったが、これとの比較では改善した。

純ポートフォリオ価値は今年3月時点で3890億シンガポール・ドル(約46兆3500億円)と、1年前の3820億シンガポール・ドルから増えた。

テマセクは長い間、対中投資で最大級の機関投資家の1社で、20年は対中投資がポートフォリオの29%を占めていた。

しかし、4年を経た今、世界2位の経済大国である中国への投資額は、少なくともこの10年間で初めて米州への投資額に抜かれた。

3月時点のポートフォリオに占める中国の割合は19%。米州への投資は22%を占め、シンガポールの27%に次ぐ2位となっている。

テマセク幹部によれば、米国が引き続き最大の投資先となる方向で、中国に対しては慎重なアプローチをとり続ける方針。また、3月時点でポートフォリオの7%を占めたインドへの投資も増やす予定。

原題:Temasek China Bets Fall Below Americas for First Time in Decade (抜粋)

--取材協力:Haslinda Amin.

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