物価と賃金の好循環、「エコノミストが懸念」の理由

AI要約

松岡氏によると、春闘の賃上げ率が高いとされるが、実際は左側にいる若年層や大企業が対象であり、全体の加重平均を考慮すべきだと指摘している。

さらに、景気見通しについても日銀の金融政策に疑問を投げかけ、マイナス金利解除は時期尚早だったと述べている。

その他の詳細は動画で確認できる。

物価と賃金の好循環、「エコノミストが懸念」の理由

東洋経済新報社の記者・編集者が、SBI証券のチーフエコノミストの松岡幹裕氏とともにマーケットを展望する動画連載「Market Trend Report」。第11回前編は「物価と賃金の好循環は実現するのか」です。松岡氏が解説します。

 「物価と賃金の好循環は実現しても緩やかだろう」

 SBI証券のチーフエコノミストの松岡幹裕氏はそう考える。30年ぶりの高水準となった春闘の賃上げ率について「少しミスリーディングだ」と断言する。

 その理由について、松岡氏は「春闘の賃上げ率は労働組合に加盟している比較的若年、特に大企業を対象にしている」と指摘する。

 「山型の賃金カーブ(縦軸に賃金、横軸に年齢)でみると、左側にいる人が対象になっており、その人たちは自動的に賃金が上がり高めになる。だが、右側にいる人は賃金が下がる局面で、さらにその人たちの人口に占めるウェイトが上がっていく」(松岡氏)。そのため、実際には「カーブ全体の加重平均をかけた伸び率をみる必要がある」と訴え、「左側だけをみていると、過大な期待が出てくる」と警鐘を鳴らす。

 松岡氏は、さらに景気見通しにも言及。日銀の金融政策決定会合でマイナス金利解除は「時期尚早だった」と言い切る。

 詳しい説明については動画をご覧ください。