厚生年金の受給額「月10万円」は平均より少ない?もらえる人はどのくらいか。老後資産を作るコツも徹底解説

AI要約

2024年度の公的年金額は、2.7%増額され、国民年金と厚生年金それぞれの受給額が上がった。

厚生年金の平均受給額は男性よりも女性の方が低く、月額10万円以上を受給している人が全体の77.3%を占めている。

公的年金受給額の正確な把握が老後の資金計画に欠かせないことを強調している。

厚生年金の受給額「月10万円」は平均より少ない?もらえる人はどのくらいか。老後資産を作るコツも徹底解説

公的年金額は、毎年度改定されます。2024年度の公的年金額は、2.7%の増額となりました。

国民年金(老齢基礎年金)の一人分は前年度比で1750円増加し、月額6万8000円となっています。また、昭和31年4月1日以前に生まれた方には6万7808円(1758円増)支給されます。

一方、厚生年金では夫婦2人分で月額23万483円に引き上げられました。これは、40年間会社員として働いた夫と専業主婦または自営業者だった妻のモデルケースを示しています。昨年度の22万4482円から6001円の増加となっています。

公的年金の受給額を正確に把握することは、老後の資金計画を立てる上で欠かせません。

今回は、厚生労働省が公表した「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」に基づき、最新の年金受給額を詳しく見ていきましょう。

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日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の二層構造で成り立っています。

●国民年金(基礎年金)

国民年金は、国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人に加入義務があります。

一律の保険料を支払い、納付期間に応じて将来の年金額が決まります。

●厚生年金

厚生年金は、公務員や会社員などが対象となり、収入に応じた保険料を支払います(上限あり)。納付額や加入期間に応じて将来の年金額が決まります。

年収に基づく保険料のため、受給額には個人差があり、より高い収入の人ほど多くの年金を原則受け取ることができます。

今回は、厚生年金の平均受給額とその詳細について見ていきます。

厚生労働省年金局が発表した「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にして、最新のデータを見ていきましょう。

●厚生年金の平均年金月額

〈全体〉平均年金月額:14万3973円

 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円

 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円

※国民年金部分を含む

厚生年金の全体の平均月額は14万3973円です。男女間では約6万円の差があり、男性の平均受給額が女性よりも高くなっています。

では、厚生年金をひとりで月額10万円以上受給している人はどれくらいいるのでしょうか? 

●【厚生年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)

 ・1万円未満:6万1358人

 ・1万円以上~2万円未満:1万5728人

 ・2万円以上~3万円未満:5万4921人

 ・3万円以上~4万円未満:9万5172人

 ・4万円以上~5万円未満:10万2402人

 ・5万円以上~6万円未満:15万2773人

 ・6万円以上~7万円未満:41万1749人

 ・7万円以上~8万円未満:68万7473人

 ・8万円以上~9万円未満:92万8511人

 ・9万円以上~10万円未満:112万3972人

 ・10万円以上~11万円未満:112万7493人

 ・11万円以上~12万円未満:103万4254人

 ・12万円以上~13万円未満:94万5662人

 ・13万円以上~14万円未満:92万5503人

 ・14万円以上~15万円未満:95万3156人

 ・15万円以上~16万円未満:99万4044人

 ・16万円以上~17万円未満:104万730人

 ・17万円以上~18万円未満:105万8410人

 ・18万円以上~19万円未満:101万554人

 ・19万円以上~20万円未満:90万9998人

 ・20万円以上~21万円未満:75万9086人

 ・21万円以上~22万円未満:56万9206人

 ・22万円以上~23万円未満:38万3582人

 ・23万円以上~24万円未満:25万3529人

 ・24万円以上~25万円未満:16万6281人

 ・25万円以上~26万円未満:10万2291人

 ・26万円以上~27万円未満:5万9766人

 ・27万円以上~28万円未満:3万3463人

 ・28万円以上~29万円未満:1万5793人

 ・29万円以上~30万円未満:7351人

 ・30万円以上~:1万2490人

※国民年金部分を含む

データによると、全体の77.3%が月額10万円以上の年金を受給しています。