神田財務官、国際収支の課題と解決策を取りまとめ

AI要約

財務省の神田財務官が日本の国際収支課題を取りまとめ、赤字続きの貿易収支やサービス収支の問題点を指摘。

有識者会議で議論を行い、赤字要因や解決策を考察。労働移動促進や原発再稼働を提案。

政府の成長分野特定や補助金には慎重な姿勢を示し、日本の将来への前向きな展望を示唆。

神田財務官、国際収支の課題と解決策を取りまとめ

財務省の神田財務官は2日、赤字続きの貿易収支など、日本の国際収支の課題とその解決策を取りまとめました。

輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は赤字続きになっていて、サービス収支もデジタル分野など先進的な分野で赤字が拡大しています。

神田財務官は、こうした貿易収支を含めた日本の国際収支の課題を洗い出し、解決策を考える有識者会議を今年3月から、これまでに6回、開いてきましたが2日、その議論をとりまとめました。

報告書では、貿易収支の赤字続きの要因として、かつての稼ぎ頭の電機産業が衰え、自動車と並ぶほどに国際競争力がある産業が現れていないこと、さらに、エネルギー資源に乏しいため化石燃料に依存していることなどが挙げられました。

その上で、これらの解決策として、最低賃金の引き上げなどにより成長分野への労働移動を促進することや、安全確保を前提に原発の再稼働を進めることなどを掲げました。

一方、政府が次世代半導体の量産を目指すラピダスに大規模な補助金を投じていることなどを念頭に、「不完全な情報しか有さない政府が成長分野を特定し、補助金等で投資を誘導するのは慎重に考えるべき」とも指摘しました。

神田財務官は今回の議論について「日本の将来を心配する方が多い中で、前向きに、どうしたら日本を良くできるのか」「新しい手品が出ているわけではないが、地道に政策を浸透させる」と強調しました。

今後、この議論をきっかけに、日本の国際収支の改善につなげていくことが期待されます。