韓国、先月の半導体輸出が過去最大を記録…AI薫風に笑った

AI要約

韓国の輸出が好調で過去最大の輸出額を記録する可能性が高い。上半期の輸出は過去2番目に多い数値で、特に半導体輸出が大きく伸びている。

半導体輸出が好調な背景にはモバイルやサーバーなどの需要増加があり、自動車輸出も過去最大を記録している。対米輸出が最も多く、対中輸出も反騰している。

上半期の貿易収支は6年ぶりの黒字となり、年間貿易収支も黒字が見込まれているが、米国の景気減速や保護貿易主義などのリスクも存在する。

韓国、先月の半導体輸出が過去最大を記録…AI薫風に笑った

韓国で沈滞した内需と異なり輸出はますます好調の流れが明確になっている。今年の輸出額は過去最大を記録する可能性が高くなっている。韓国関税庁と産業通商資源部が1日に明らかにしたところによると、上半期の輸出は3348億ドルを記録し前年同期比9.1%増加した。上半期の輸出額としては過去2番目に多い数値だ。過去最大は2022年の3505億ドルだ。

輸出増加速度が高まった点も肯定的だ。四半期別に前年同期比の輸出増加率を見ると、昨年10-12月期に5.7%を記録してから今年1-3月期が8.1%、4-6月期が10.0%と上がった。月別では6月の操業日数を考慮した1日平均輸出額が26億5000万ドルで2022年9月の26億6000万ドルから21カ月ぶりの規模となった。

上半期の輸出は657億4000万ドルで1位の半導体が牽引した。前年同期より52.2%増えた。上半期の記録では2022年の690億ドルに次いで2番目に多い輸出額となった。半導体輸出は昨年初めに底を打ってから明確な回復傾向を見せている。6月には月間輸出額が134億2000万ドルで過去最高を叩き出している。

半導体輸出好調の背景には世界的に前方産業であるモバイル、サーバー、パソコン需要が上昇していることがある。特にクラウドサービス拡大などにより人工知能(AI)サーバー出荷量が増加し、これに伴い広帯域メモリー(HBM)とソリッドステートドライブ(SSD)のような半導体の需要も増えたという説明だ。半導体価格が上昇している点もやはり影響を及ぼしたと分析される。半導体のほかにも上半期はディスプレーが88億9000万ドルで16.2%増、コンピュータが52億ドルで43.2%増加するなど善戦した。

昨年半導体輸出が振るわない時に韓国の輸出を支えた自動車輸出も好調だった。上半期の自動車輸出は370億ドルで3.8%増加し、上半期としては過去最大を記録した。

このほか上半期の石油製品輸出が前年同期より7.7%増加した264億7000万ドル、石油化学輸出が4.1%増えた241億5000万ドルを見せた。船舶輸出も118億ドルで28%増えた。主力15品目のうち9品目で輸出が増加した。

輸出相手国別では対米輸出が643億ドルで前年同期より16.8%増えて上半期としても最も多かった。自動車と一般機械輸出が主導した。昨年沈滞した中国への輸出は反騰に成功した。上半期の対中輸出は634億ドルで5.4%増加した。半導体を含むIT品目の業況が改善されたおかげだ。上半期の対米輸出が対中輸出を上回ったのは2003年から21年ぶりだ。

韓国の今年の年間輸出額は2022年の6836億ドルを超え過去最大となる7000億ウォン前後を記録するとの見通し(産業研究院、韓国貿易協会)が出ている。上半期の貿易収支は231億ドルの黒字を記録し、2018年の311億ドルから6年ぶりの規模となった。上半期に輸出増加と貿易黒字を同時に達成したのは2021年から3年ぶりだ。今年の年間貿易収支は410億ドル前後の黒字になるだろうとの見通しが出ている。

ただしリスク要因も存在する。主要輸出相手国である米国の景気が緩やかな下落局面に入る兆しの上に、11月の米国大統領選挙を控え米国政界を中心に保護貿易主義基調が強化される雰囲気だ。