“昼の高速バス”の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない

AI要約

高速バスは昼行も人気で、バスターミナルに行くだけでも旅気分を味わえる。

高速バスの特徴や乗車ポイントについて紹介し、乗り物としての魅力を述べる。

適度な遅さと価格のバランスで高速バスの魅力を表現し、便利な交通手段としての価値を強調。

“昼の高速バス”の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない

 高速バスでの旅行と聞くと、夜行バスのイメージが強いが、昼行高速バスもしっかり活躍している。というか、平日昼間の高速バスターミナルもかなり混雑しており、人気の高さがうかがえる。

 別に旅行しなくとも、高速バスターミナルにふらっと出掛けるだけでもう旅をした気分になれる。

・ディーゼルエンジン特有の排ガスの香り/エンジン音

・高速バスの案内板や時刻表

・到着/出発したバスの行き先表示

・乗車券をチェックする乗務員

・車体下部のトランクへの荷物の収納

など、萌えポイントをいくらでも挙げられる。

 実際に昼行高速バスを利用するとさらに気分が高揚するのはいうまでもない。

 国土交通省の資料によると、高速バスは正確には高速乗合バスといい、

「市町村の区域を越え、かつ、その長さが概ね50kmを超える路線」

とある。もちろん、50km未満であっても高速道路を通る路線バスはある。

 例えば、広島と呉を結ぶクレアラインは実車距離で30km程度であるが、朝の通勤時間帯はなかなかの盛況ぶりだ。広島から呉に向かう7時台のバスは6本もあるものの、補助席も満席となり途中の停留場で積み残しが生じるのは日常茶飯事である。

 50km程度の小旅行であれば、都会の景色も郊外の景色も楽しめるつくば号もいい。つくばエクスプレス開業前は、筑波大学への移動といえば高速バス1択だった。当時、東京駅八重洲口のバスターミナルの人の多さもさることながら、メガライナーの大きさに圧倒されてしまった。高速バスで筑波大学に向かうだけで、ここまで興奮できるのはなかなかのやばさだろう。

 余談はこれまでにして、筆者(ネルソン三浦、フリーライター)がやばい!と思うポイント「コスパ・景色・設備・サービスエリア(SA)」について語っていこう。

 ひとつ目の昼行高速バスのやばいポイントは、適度な遅さと値段だろう。新幹線や特急と比較して所要時間はかかるかもしれないが、許容できる範囲内にあるし、なんといっても安い。

 例えば、大阪から松本に向かう場合を比較してみよう。

●鉄道:大阪駅~松本駅

・所要時間:約3時間20分

・運賃:1万1980円(のそみ・しなの指定席利用)

●バス:大阪~松本バスターミナル

・所要時間:約5時間50分

・運賃:5500円~(アルピコ交通・時期による変動あり)

さすがに所要時間では鉄道に勝てないが、2時間30分の違いでこの運賃ならば十分といってもいい。もちろん、高速バスが圧倒的に優位になる路線もある。大阪駅~徳島駅を見てみよう。

●鉄道:大阪駅~徳島駅

・所要時間:約3時間30分

・運賃:1万1200円(のそみ・マリンライナー・うずしお指定席利用)

●バス:大阪駅~徳島駅

・所要時間:約2時間45分

・運賃:4100円(阿波エスクプレス大阪号)

全国屈指の高速バス激戦区だけあって、所要時間も運賃も高速バスの方が圧倒的に優位だ。運賃に至っては半額以下であり、各種割引を利用するか事業者を選べばさらに安くなる。

 昼行高速バスの適度な遅さと値段は、何よりも代えがたい魅力に違いないし、時間に余裕がありふらっと旅をするにはちょうどよいやばい交通手段といえよう。