米経済、利上げによく持ちこたえている-リッチモンド連銀総裁

AI要約

米リッチモンド連銀のバーキン総裁は、インフレとの闘いで勝利をまだ収めていないと述べながらも、米経済は失業率の低水準と高い資産バリュエーションに支えられて底堅さを維持している可能性があると指摘した。

総裁は、利上げの遅延効果が作用しており、景気減速に繋がると予測しつつも、米国の消費者には利上げに対する復元力があると認めた。

バーキン総裁は、インフレ抑制でまだ取り組むべき課題があるとしつつ、物価上昇圧力が依然として存在していると強調した。

(ブルームバーグ): 米リッチモンド連銀のバーキン総裁は28日、インフレとの闘いでまだ勝利を収めていないと述べるとともに、失業率が低水準にとどまって資産のバリュエーションが高いままであれば、米経済は底堅さを維持する公算が大きいとの見解を表明した。

バーキン総裁は「米経済、特に米国の消費者は大多数の予想よりも利上げに対しかなりの復元力があり、バリュエーションが高いままで、失業率が低水準にとどまれば、こうした状態が続く公算が大きい」と指摘した。

パリで開催のグローバル・インターディペンデンス・センター(GIC)の会合での講演テキストでこうした考えを示した。バーキン総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ。

総裁は、これまでの利上げの遅延効果が引き続き作用しつつあり、「こうした引き締め全てが最終的な景気減速につながるだろう」と予想。それと同時に、「米経済に見られる顕著な力強さを踏まえれば」、需給均衡を保つ一段と長期の金利が「幾分、上方にシフト」して、現行の政策が想定よりも景気抑制的ではないかもしれないとのアイデアに自分はオープンだと話した。

バーキン総裁は、過去の事例に照らせば労働市場が高金利の緊張の下でよく持ちこたえているとし、失業率は4%にあって「低いままだ」とコメントした。講演テキストでは利下げの見通しには言及しなかった。

先に発表された5月の消費者物価指数(CPI)は、総合指数が前月比横ばいとなり、変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数は同0.2%上昇と、予想を下回る伸びとなった。

だがバーキン総裁は、物価上昇圧力は依然として経済にとどまっているとし、インフレ抑制で「われわれにはまだやるべきことがある」と語った。

原題:Barkin Says US Economy Is Withstanding Fed’s Battle on Inflation(抜粋)

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