米SF連銀総裁、労働市場のリスクを警告-変曲点に近づいている

AI要約

米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、米国の労働市場が変曲点に近づいており、さらなる減速により失業率が上昇する可能性を警告している。

インフレ率を2%に戻すためには需要の抑制が必要であり、労働市場にストレスがかかる可能性があると指摘している。

デーリー総裁はインフレや労働市場のリスクに警戒し、金融政策の適切な条件について検討している。

(ブルームバーグ): 米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、米国の労働市場は変曲点に近づいているとの見方を示し、さらなる減速は失業率の上昇を意味すると警鐘を鳴らした。

インフレ率を目標の2%に戻すためには、需要の抑制が必要になるだろうと指摘。そうなれば、良好ながらも、もはや過熱気味ではない労働市場にストレスがかかるとの見方を示した。デーリー総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ。

総裁は「労働市場の調整は今のところ緩やかで、失業率は小幅にしか上昇していない。しかし、このような穏やかな展開になる可能性が低下する時点に近づいている」と述べた。発言は24日にサンフランシスコで行う講演原稿に基づく。

その上で「今後労働市場が減速すれば、企業は求人のみならず実際に雇用を調整する必要が出てくるため、失業率の上昇につながる可能性がある」と指摘。「現時点で、われわれが直面するリスクはインフレだけではない」と述べた。

デーリー総裁は今年に入って発表されたインフレ指標の不安定さは確信を提供するものではなかったが、一定の落ち着きを示す最近のデータは勇気づけられる内容だったと述べた。それでも、経済が本当に物価安定の軌道に乗っているのかどうかを見極めるのは難しいとした。

さらに今後の経済動向について常にさまざまなシナリオを警戒するとともに、可能性を排除しないよう金融当局者に促し、「適切であるためには、政策は条件付きでなければならない」と述べた。

例えば、インフレ抑制のペースが予想よりも鈍い場合には、高金利を長く維持することが適切だと指摘。一方で、インフレが急激に鈍化したり、労働市場が予想以上に冷え込んだりすれば、利下げが必要になるだろうと述べた。

原題:Fed’s Daly Warns of Labor Market Risks, Nearing Inflection Point(抜粋)

--取材協力:Karen Breslau.

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