カナダ、中国製EVの輸入を規制する計画発表-意見公募に着手

AI要約

カナダ政府は中国製電気自動車(EV)の輸入を規制へと方針を明らかにした。関税課税や投資制限も検討し、EV産業の健全化を図る構え。

カナダはG7加盟国と協調し、中国製EVへの関税引き上げを模索。自動車産業も保護の声高まる中、USMCA見直しに向け各方面からプレッシャー。

しかし、中国はカナダにとって重要な貿易相手。中国製EV輸入の増加に一定の懸念もあるものの、輸入される主要な車はテスラ製として、対応は慎重が求められる。

(ブルームバーグ): カナダのトルドー政権は24日、中国製電気自動車(EV)の輸入を規制する方針を明らかにした。貿易政策の面でバイデン政権と足並みをそろえる。

カナダが中国製EVに関税を発動する前の第1段階となる30日間のパブリックコンサルテーション(意見公募)開始をフリーランド財務相が発表した。ブルームバーグは先週、カナダが中国製EVに新たな関税を課す計画だと報じていた。

カナダ、中国製EV巡り新たな関税準備と関係者-米やEUに追随 (2)

フリーランド氏は、連邦政府による優遇措置の対象EVリストの変更やEV産業に絡む「カナダへの広範な投資制限」も検討すると説明。「あらゆる手段が選択肢に入る」と述べた。

フリーランド氏は記者会見で、カナダの自動車産業は「中国の意図的な国家主導の過剰生産能力政策によって不公平な競争に直面しており、それがカナダのEVセクターの国内外における競争力を損なっている」と述べた。

カナダは対中貿易政策を巡り、主要7カ国(G7)加盟国と協調するよう圧力を受けている。ホワイトハウスは先月、中国製EVへの関税を4倍近く、最終的には102.5%に引き上げる計画を発表した。

トルドー首相は国内でも圧力に直面する。カナダの自動車業界も国内の雇用と賃金を守るため、安価な中国製EVへの関税を引き上げるようトルドー氏に働きかけている。

2026年には「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」に関する見直しが控えている。そのため経済団体からは、カナダが安価な中国製品を北米に流入させる裏口と見なされないよう、トルドー政権に要求している。

もっとも、トルドー政権はこれまで、対中関税の引き上げに関して慎重に対応している。中国はカナダにとって、米国に次ぐ第2位の貿易相手国だ。

カナダでは最近、中国製EVの輸入額が急増しているが、中国メーカーに絡む動きは今のところほとんどない。

カナダが中国から輸入するEVの大半は、上海工場で生産されたテスラ車だ。フリーランド氏は、これらのEVに関税が適用されるかどうかについてはコメントしなかった。